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『フルーツバスケット(13)』全編アニメ化記念に全巻レビューします

 

由紀の変化が大きい13巻の感想です。(前巻のレビューはこちら

草摩家というある意味では小さい世界観が描かれた『フルーツバスケット』という作品ですが、その草摩家が相当大きな一家であるため登場人物がかなり多いです。

十二支とそれに対応する人物がメインキャラクターとなっていて、それに加えて主人公の本田透やその友人、由紀の生徒会メンバーなど・・

メインキャラクターだけで20人近いわけですね。

だからなのか全巻通して前半では、主に新たな登場人物との出会いが描かれていたように思います。

そして主な登場人物が出揃った後半では、当然彼らの掘り下げや変化が描かれることになるわけですね。

13巻では主に由紀が描かれています。

どちらかといえばクールな印象の強い由紀の、ある意味では子供っぽい一面に注目ですね。

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本作の概要

由紀の三者面談には、由紀の意志とは無関係に進路を決めつける母親の姿がありました。

そして、そんな母親から由紀を助け出したのは兄の綾女。

本田透だけではない。

綾女や生徒会メンバーに触れたことが由紀の考え方の変化に繋がっているのかと思わされる内容になっています。

本作の見所

由紀の三者面談

由紀の母親は悪人ではありません。

しかし、典型的な子供を自分の思い通りにしようとするタイプの母親っぽいですね。

「まぁ・・改めて話し合うことも無いですしね。進学させますから。もちろん受けるべき大学も、こちらできちんと決めてあります」

由紀の今後を「決めてあげてる」という発想をしてしまっているのが由紀の母親です。

十二支の両親にはもっと根本的に突き放すような人もいることを思えば、ある意味では普通の母親と言って言えなくもありませんが、それは普通に問題のある母親という意味でしかありません。

子供は子供であるという考えは間違えではないと思います。

しかし、だからといっていつまでも子供扱いするのは間違っているような気がしますね。

「こんなにも言葉が何の意味も持たず、力も無く届かないまま死んでいくというのならば、もう二度と言葉になんかしたくないって思ったんだよ」

由紀のモノローグですが、言葉には本来力があるものですが、親という存在は子供の言葉を簡単に無力化できる存在です。

赤の他人にであればどんな言葉でも何かしら力を発揮するものですし、親に言葉を抑えつけられた時の無力感は想像に難くありませんね。

そして、そん由紀を母親から助けたのが綾女だというのが熱い展開です。

何だかんだ綾女とは初登場の時と比べたらかなり歩み寄ってきている感じがしますが、母親と比較した場合かなり打ち解けているというか、普通に頼り甲斐を感じていそうな感じがしますね。

生徒会と喧嘩

かなりどうでも良いことで盛り上がる生徒会メンバーですが、明らかに由紀が苦手そうなノリなのにそこそこ馴染んでいる所が、何となく由紀の変化を感じさせますね。

楽し気で結構なことですが、真鍋翔に本田透との関係。夾が本田透と恋人っぽく見えること。夾の方が倖せそうに見えると言われて珍しくキレてしまいます。

「こっちの方が倖せだとか、こっちの方が不幸だとか、そんな事を天秤にかけて他人と比べて嬉しいかよ!? そんな事で優劣を決めて、決められて楽しいかよ」

何というか口調まで変わっていて、マジでキレてる感じですね。

ですが確かに、何だか良くわからないうちに不幸扱いされたら腹も立つものですし、気持ちは分かります。

そして真鍋翔の方も楽し気に話していたらキレられたものだから怒ってしまい互いに喧嘩になってしまいます。

考えてみれば由紀が本気で喧嘩しているのは初めてかもしれませんね。

夾とは喧嘩しているようなイメージが強いですが、夾との掛け合いでは由紀はいつもクールですし。

まあ、互いに生徒会長・副会長になるような優等生。互いに非を認めてすぐに仲直りしていましたが、由紀の新しい一面が見られる良エピソードだったと思います。

クレノと紅野

魚谷ありさの思い人の名前がクレノであることを本田透は知らなかったようですが、ふとした拍子に知ることとなります。

そして、クレノと聞いてもしかしたら草摩紅野なのではないかと紐づきます。

まあ珍しい名前ですからね。

「あんま余計なコトには首突っこむんじゃねぇぞ・・」

夾にはそう言われたものの、友人が思い悩んでいるので余計なことではないと首を突っ込む本田透

なかなかのお節介ですが、それ以前に凄まじい行動力ですね。(笑)

そして、どうやら草摩紅野が魚谷ありさの思い人のクレノと同一人物であることは分かったようですが、クレノには魚谷ありさに再会する意思は無いようです。

しかし・・

「明日は・・どうなるか判らないから・・っ。明日、目が覚めたら会いたくなるかもしれないから・・明日じゃなくて明後日かも・・一年後かも・・十年後かもしれないけれど、でも、それでも生きていく限り何か起こり続けるから」

人は不変ではないことを本田透は主張します。

かなり真剣みを帯びた言葉ですが、それは魚谷ありさのためもありつつも、草摩家の呪いを解きたいと思っている本田透にとって「明日はどうなるか判らない」ものであってほしいという思いも含まれているのかもしれませんね。

紅葉とモモ

紅葉の妹の草摩モモの初登場はかなり前で、兄と名乗れない紅葉の切ないエピソードが描かれていましたね。

だから草摩モモは紅葉が兄であることを知らないはずですが・・

「モミジにつたえて。モミジはモモの”お兄ちゃん”にならないんですか?って」

本田透を紅葉の元に案内した草摩モモのセリフからだけでは、実際のところ草摩モモがどこまで気づいているのか判別できません。

単に紅葉のような兄が欲しいと思っているだけなのかもしれませんが、何となく実の兄である可能性に本能的に気付いているのかもしれませんね。

そして、それを本田透から聞いた紅葉の嬉しそうなこと。

普通に生まれていたら仲の良い兄妹になっていそうな2人なだけに感動的でしたね。

修学旅行

普通の高校生が主人公の漫画にしては学校での出来事はあまり描かれないのが特徴の『フルーツバスケット』ですが、修学旅行も割とサラッと描かれています。

印象的なのは本田透をめぐる由紀と真鍋翔でしょうか?

以前も似たような話題から喧嘩していた2人。

もし真鍋翔が本田透を傷つけるようなことがあったら許さない。絶交すると言う由紀でしたが・・

「ぜ!!? ”絶好"ってなんだよオイ!!? ガッ、ガキじゃあるまいし”絶好”・・!?」

確かに由紀っぽくない。どころか子供っぽいセリフがふと口をついてしまった由紀。これは笑われると焦りまくりです。(笑)

だけどこういうセリフが出るってこと自体が変化であり、以前よりも温かみのあるキャラクターに感じられるのは気のせいでしょうか?

ちなみに、由紀は笑われると思ったセリフですが真鍋翔には普通に効いていたのも面白いですね。

総括

いかがでしたでしょうか?

実は初めて『フルーツバスケット』を読んだ時は生徒会メンバーたちが大きく掘り下げられることになるキャラクターだとは思っていなかったのですが、由紀の変化とともに掘り下げられつつあります。

その辺も今後注目していきたいところですね。(次巻のレビューはまだ)