あるいは 迷った 困った

漫画、ラノベ、映画、アニメ、囲碁など、好きなものを紹介する雑記ブログです。

囲碁におけるスランプと脱出方法についての考察

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こんにちは!

囲碁が大好きだけど、半年ほどずっとスランプ気味だったところからやっと脱出できそうなあるいはと申します。

ある程度真面目にやり始めてから10年、最初に興味を持ってからだと20年近くになる囲碁ですが、その成績にはどうしても波があるような気がします。

僕の場合、基本的にはネット碁しか打たないのでほとんど同じ棋力の相手とマッチングされることになるのですが、自分でも驚くほど勝ち続けることができることもあれば、打っていて相手が自分より強いとまでは思えないのに勝敗だけを見ると負けが続いているような時期もあったりするものです。

恐らく、大なり小なり誰にでもあるのではないでしょうか?

僕の場合、平均的には2~3段の棋力なのですがかなり棋力の揺れ幅が広くて、調子の良い時は四段でも勝てるけど、調子の悪い時は初段でも負けることがあるような感じです。

調子の良い時の自分の実力こそが本当の実力なのだと、そんなことを言いだすつもりは更々ありませんけど、どうしたって考えてしまうことがあります。

この調子の良い時がいつまでも続けば良いのにと。

そして今まで勝てていた棋力の相手に勝てなくなる現象なんて起きなければ良いのにと。

本記事ではこの棋力の波と、スランプの原因、そして脱出方法について考察していきたいと思います。

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そもそも棋力の波は悪いものではない

今まで勝てていた棋力の相手に勝てなくなる現象なんて起きなければ良いのに。

そんな風に言いましたが、実のところ棋力に波がある状態自体は当然のものであり、そもそも悪いものではないと思っています。

なぜならば、棋力に波がある状態があるからこそ棋力が向上していくと思うからです。

棋力とは、ある日突然強くなるようなものではありません。

かといって徐々に強くなっていくというのも違う気がします。

これは個人的な感覚であり、人によっても違うかもしれませんが、僕の場合はスランプから脱出した時にこそ強くなったという感覚があります。

なんというか、今まで勝てていた相手にも勝てなくなるほどの絶不調。そこからようやく勝てるように戻ってきたという時に、何故かそのまま今まで勝てなかった相手にも勝てるくらいの好調期に突入することがあるんですよね。

だから、たぶん棋力ってやつは強くなったり弱くなったりの波を繰り返しながら、少しずつジャンプアップしていくものなのではないかと思うのです。

そう考えると、弱くなっている期間はツライですけど棋力の波は悪いものではないことが分かりますね。

つまり、スランプそのものは避けられないものであり、考えなければいけないのはスランプにならない方法ではなくスランプとの付き合い方なのだと思います。

スランプのキッカケと原因

囲碁においてスランプに陥る時、そのキッカケは棋力向上のための何かをしている時と重なることが非常に多いです。

人にもよりますかね?

少なくとも、僕の場合は何か新しいことを勉強したり、いままでしなかった打ち方を試している時にスランプに陥ることが多いです。

棋力向上のための努力をして、いきなり成績が上がったことなんてほとんどなく、大抵そこがスランプの入り口になっているのですね。

いきなり成績が上がった例外はヨセの勉強をした時くらいでしょうか?

新しいことを覚えるのと身に付けるのは別物で、こういうケースでは身に付いていない打ち方をしているわけなのですから、勝てなくなるのは考えてみれば当たり前の話ですね。

それがスランプに陥るキッカケのひとつであることは間違いないと思います。

つまり、スランプから脱出した時に棋力が向上していることが多いのは、勉強したり新しい打ち方を試したりしていたことが身に付きつつあるからなのかもしれません。

棋力の波に合わせて棋力がジャンプアップするのは根拠がない話ではないのです。

考えてみれば当たり前の話。

スポーツだって同じですよね。

ランニングフォームを変えたからといっていきなり足は速くなりませんし、ポジションを変更してから早々に成果を発揮する選手は数少ないです。

このケースだとむしろ最初は成績を落とすことでしょう。

さて、スランプに陥るキッカケは分かりましたが、そこから抜け出せない原因は別にあると思います。

それこそ千差万別の原因があると思いますが、共通するのはスランプから脱出しようという想いの空回りが根本にある点だと思います。

勉強が過剰になる

スランプ気味になってくると、何とか勝てるようになりたくてより一層勉強に励むようになります。

しかし、スランプに陥るキッカケがそもそも身に付いていない何かが自分の中にあるからなのだとしたら、これは下手をすると逆効果になりかねません。

身に付いていないことを増やすことになってしまうわけですから、下手をしたら更に酷いスランプのキッカケになりかねませんよね?

よほどの天才でもない限り、人間が一度に身に付けられることには限りがあります。

スランプの時に焦って新しいことを身に付けようとするのは控えた方が良いのかもしれません。

強気な手が増える

負けが続けば続くほど、なんとか勝ちたくて読みの裏付けも無い雑な強い手を打ってしまいがちになります。

強い手ではあるので、それでたまたま勝てることも少なくないのですが、雑な打ち方ではあるのでどうしても一気に潰れた碁になってしまいがちで、これではスランプを脱出することはできません。

雑な打ち方なので、身に付いていないとはいえせっかく勉強したことも活かせませんしね。

考えてみれば好調な時って凄く冷静に打てていることが多いですが、この打ち方が雑になっている状況はその対極の状態なのだと思います。

弱気な手が増える

強気な手だけではなく、弱気な手が増えるものスランプ時の特徴です。

要はバランスを欠いているのですね。

雑な手で相手に潰されてしまうような碁を打っていると、何とか冷静に打とうとして逆に弱気になってしまう現象ですね。

これは、そういえばヒカルの碁でヒカルがスランプに陥っていた時に佐為が指摘していたスランプの原因と同じですね。

手控えして僅差の負けが増えるという状況。

ヒカルの碁を読んだ時はピンときませんでしたが、まさに佐為の言っている通りの負け方を繰り返すようなことってマジでスランプ時に多いんですよね。

これも強気で雑な手が増えることに比べたらマシな状況ですが、つまりは自分の読みに自信が持てなくなっている状態なので精神的なところが強い原因となります。

そういう意味では他の原因に比べると意識的な改善が難しいのかもしれません。

スランプからの脱出方法

スランプの原因を3つほど考えてみましたが、結局のところスランプから脱出しようという想いの空回りが根本であることは前述した通りです。

それに原因が見えてきたところで、かなりの部分が意識的に改善できる可能性があるものであることも既に分かっているのではないかと思います。

勉強が過剰になることについては、これは分かってさえいたらコントロールは簡単ですね。

新しいことを身に付けようとするような勉強は控えて、勉強するとしたらスランプに陥るキッカケとなった勉強の復習に集中するべきなのだと思います。

しかし、強気で雑な手が増えたり、弱気な手が増えることについては精神的なものなのでコントロールが非常に難しいです。

というか、ハッキリ言ってできません。

こういうコントロールが上手な人もいるかもしれませんが、僕には少なくともできませんでした。

それではどうするのか?

意識的にできる解決策としては、言い方は悪いですが・・

逃げてしまえば良いのですよ。

こういう時、一度打ち始めると勝つまでやめられない現象が発生してしまいがちだったりしますが、負ければ負けるほど酷くなっていくものです。

だから打たないようにする。

これなら意識的にできますよね?

負けが続いている状況って、短期間に負けが続くから精神的に来るのですよ。

だから、連敗している事実は変わらないのに時間が経ったら意外とリセットされたような精神状態になっているもので、久しぶりに打つと「あれ?」って思うくらい冷静に打てて、簡単に勝てるようになっていたりすることがあるのです。

ひとつ難があるとすれば、こういうスランプに悩んでいる人ってそんな悩みがある時点で囲碁が好きなはずなので、一度対局しないようにするということ自体が苦痛となる可能性があることくらいですが、それでスランプを脱することができるのであれば易いものですよね?

囲碁や将棋といった盤上遊戯をテーマとした漫画・ラノベ作品10選

 

こんにちは!

囲碁が大好き。あるいはと申します!

繰り返しますが、僕は囲碁という盤上遊戯が好きで好きで仕方がないのです。

実力は伴っていないんですけどね。

それに、ぶっちゃけ初心者以下だけど同じ盤上遊戯である将棋やチェスの世界にだって興味はあります。

だから、そういう盤上遊戯をテーマとした漫画やライトノベルなんかもメッチャ好きなんですよね。

将棋漫画あたりは、もはや1つの漫画のジャンルとして確立されていると言っても過言ではないくらい、多種多様な作品が生み出されていますね。

囲碁ファンとしては作品数の違いにジェラシーを感じてしまったりもするのですが、それでも将棋漫画は好きなので、その辺は少々複雑だったりしますけど。(笑)

まあ、囲碁にはヒカルの碁という盤上遊戯をテーマとした作品の中における圧倒的なレジェンドが君臨していますから、それが囲碁ファンとして唯一の矜持だったり?

ともかく、本記事ではスポーツ漫画以上に熱血な盤上遊戯をテーマとした漫画・ライトノベルのおすすめ10作品を紹介したいと思います!

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1.ヒカルの碁囲碁

ヒカルの碁は、囲碁なんて知らない小学生ヒカルのもとに、平安時代囲碁好きの幽霊である佐為が現れ、そんな佐為のために囲碁に触れていく内にヒカルも囲碁に惹かれていくという物語です。

囲碁なんて全く知らなかったヒカルがわずかな期間にプロ棋士にまでなってしまうといえばご都合主義な漫画なのかと思われてしまうかもしれませんが、そこに至るまでには山あり谷ありの熱いストーリーがあります。

ヒカルの碁世代という言葉があるくらいに囲碁ファンにとっては重要な作品であり、僕もヒカルの碁という作品が無ければ今ほど囲碁にハマっていなかったのではないかと思います。

本ブログではヒカルの碁の全巻レビュー記事も書いているので、良かったら見てみてください。

www.aruiha.com

2.りゅうおうのおしごと(将棋)

将棋というジャンルを超えた超人気ライトノベルりゅうおうのおしごとも外せませんよね。

一定の人気はあるものの実は爆発的なヒット作は少ない将棋というジャンルの作品において、2年連続で『このライトノベルがすごい!』で1位になったこともある良い意味でやべ~作品です。

登場するキャラクターの年齢から、いわゆるロリコン系作品であると捉えられがち・・というか間違いなくその一面もあるのですが、それ以上に真剣に将棋に取り組む登場人物たちの熱がこれでもかというほど伝わってくる名作になっています。

熱さもあり、感動の涙もあり、それに登場人物の一人一人が生きている。

単なるロリコン系作品ではない証拠に、例えば7巻では主人公の師匠であるおじさんがメインのエピソードであるにもかかわらず、変わらぬ面白さを示していました。

将棋漫画は数あれどライトノベルとなるとさすがに珍しいですが、個人的には将棋系作品における一番だと思っています。

囲碁でも誰か面白いライトノベル書いてくれないかなぁ~

www.aruiha.com

3.王手桂香取り!(将棋)

将棋をテーマにしたライトノベルは珍しいと言いましたが、りゅうおうのおしごと以外にも実は存在します。

王手桂香取り!もそのひとつですね。

この作品の面白いところは将棋の駒の化身を名乗る女神たちが登場するところで、本格的な将棋作品が好きな人には陳腐に感じられる部分もあるかもしれません。

しかし、将棋にしろ囲碁にしろ現在のトッププレイヤーですらその到達点には程遠いとされるゲームですから、名人相手ですら駒落ちとなる強さを誇る女神たちの存在にも違和感があまり無いところが興味深い作品だと思います。

ちなみに、桂香という名前のキャラクターがメイン級で登場しているところがりゅうおうのおしごとと共通しているのが興味深いですね。

実はりゅうおうのおしごとを始めて読んだ時に「あっ、同じ名前だ!」って気付いたのですけど、将棋をテーマにした時に思いつきやすい名前なのかもしれませんね。

男なら「歩」とかが多いのと同じでしょうか。

王手桂香取り!の主人公もそういえば「歩」ですしね。

4.盤上の詰みと罰(将棋)

記憶喪失の主人公の作品というのもまた一つのジャンルと言えるかもしれませんが、それを将棋と組み合わせたのが盤上の詰みと罰という作品になります。

とても快活に見える主人公・霧島都は元女六冠の天才将棋指し。

しかし、1ヵ月ごとに記憶がリセットされる体質になってしまい、現在はその原因を突き止めるための旅をしています。

将棋とは積み上げていく競技です。

だから普通の将棋漫画の主人公は、強くなるために多くのことを積み上げていくのが常なのに、盤上の詰みと罰の霧島都はそれができない。

そういう意味ではかなり異色の将棋漫画になっていると思います。

かなり興味深くてじっくり読みたいと思わされる作品なので2巻と短めなのが残念な作品ですが、ちょっと変わった将棋漫画が読みたい人にはおすすめです。

「罪」を「詰み」に置き換えているタイトルのセンスも素敵ですね。

将棋においては「詰みと罰」なのではなく「詰みが罰」なのかもしれませんが。(笑)

5.歩武の駒(将棋)

あまり将棋漫画を連載しているイメージが無い週刊少年サンデーで連載されていた将棋漫画が歩武の駒となります。

連載開始時期が週刊少年ジャンプで連載されていたヒカルの碁の少し後で、ヒカルの碁に対抗した作品なのではないかと推測されます。

残念ながらヒカルの碁ほどのブームにはならなかった漫画ですが、週刊誌連載の少年漫画らしい「才能ある主人公が、その競技に対しての熱を失ってしまっていたけど、再び挑み始める」というテンプレート的な展開が好きな人には楽しめる将棋漫画だと思います。

ちなみに、個人的には人生で初めて読んだ将棋漫画が歩武の駒なので、なんとなく思い出補正も強かったりします。

6.星空のカラス囲碁

将棋に比べると囲碁を題材にした作品は非常に少ない。

囲碁ファンとしては本当に哀しい事実ですが、ヒカルの碁以来久々に登場した囲碁漫画がまさかの少女漫画ということに驚いた記憶があります。

それが星空のカラスという作品ですね。

こういう盤上遊戯をテーマにした作品で少女漫画らしいタッチで描かれるものは珍しく、何だか新鮮な作品でもあると思います。

また、本格的に囲碁が描かれているものの、少女漫画らしい恋愛的な要素もあって囲碁を知らない人でも楽しめるある意味普通の少女漫画でもあります。

それに全8巻と短めなのでヒカルの碁よりもとっつきやすいかもしれません。

なので、囲碁を知らない人こそ読んで囲碁を知るキッカケにしやすい漫画なのではないかと思います。

7.ものの歩(将棋)

ものの歩は将棋の未経験者である主人公が、手違いで奨励会員のシェアハウスに入居してしまって、そこで将棋に触れるようになっていくという漫画です。

一点集中型で要領が悪い主人公。

しかし、それがこの主人公の棋風に繋がっていきます。

こういうある意味では欠点になるところが才能になっていく展開は少年漫画の王道的展開で好きな人は好きなのではないでしょうか?

ちなみに、将棋漫画は好きでも将棋の世界に詳しいわけではない僕でも知っている橋本崇載先生が監修を務めています。

それにしても、他の週刊誌に比べると週刊少年ジャンプって盤上遊戯をテーマにした作品が多いような気がします。(ほとんど将棋だけど)

やっぱりヒカルの碁のヒットがあったからなのでしょうか?

8.将棋めし(将棋)

将棋の棋士が世間から注目される時、なぜかその棋士が対局中にする食事にまで注目されます。

将棋と食事。そういえば語感も似ていますね。(笑)

そんな将棋と食事を組み合わせた将棋漫画でもあり、グルメ漫画でもある作品が将棋めしとなります。

深夜ドラマ化されたりもしていたので、将棋漫画の中ではかなり知名度が高く、読んだことが無くても知っている人は多いのではないでしょうか?

厳しい将棋の世界を描いている漫画の割にはキャラクターが親しみやすく、それでいて将棋の世界の厳しさも描かれています。

また、グルメ漫画としての完成度も高いハイブリッドな良作だと思います。

ちなみに、作者は盤上の詰みと罰と同じく松本渚先生。

女流棋士を描いた将棋漫画を2作品も描かれているので、将棋は将棋でも女流棋士の将棋漫画家というイメージがあります。

9.盤上のポラリス(チェス)

盤上遊戯をテーマとした漫画・ラノベ作品。

そうは言ってもそのほとんどは将棋関連の作品になります。

非常にルールが似ているチェスを題材とした作品は、世界的な競技人口は将棋を完全に上回っているにも関わらず非常に少ないです。

それでも囲碁よりは多いのですが・・ 

盤上のポラリスは、そんな数少ないチェスを題材にした作品のひとつですね。

この漫画の特徴は、チェスという盤上遊戯を題材にしてはいますが、なんというか昔の冒険ものの少年漫画を読んでいるような気分になれるところです。

それは主人公が勇者のような冒険に憧れる小学生で、そんな憧れを持っていそうな活発な性格をしていて、それが昔の冒険ものの少年漫画の主人公らしいキャラクター性に感じられるからかもしれません。

僕にはチェスのことはよく分かりませんが、チェスのことを知らなくても面白いと思える漫画です。

10.駒ひびき(将棋)

こんな将棋漫画もあるよって紹介したくなるのが駒ひびきという将棋漫画です。

最近は可愛らしい絵柄の将棋漫画も多いですが、ここまで露骨にいわゆる萌え絵で描かれた将棋漫画も珍しいですよね。

しかも原作者はむらさきゆきや先生とさがら総先生という2人のライトノベル作家

むらさきゆきや先生は異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術

さがら総先生は変態王子と笑わない猫。

いずれもアニメ化作品を持つ人気作家ですが、それぞれの代表作は将棋とは全く関係がありません。変態王子と笑わない猫。のタイトルは将棋由来らしいですけど。

普段はファンタジーやラブコメを書いている作者による将棋漫画という珍しい作品です。

将棋漫画が広く愛されていることが分かりますね。

王銘琬先生の書いた囲碁ルールの本が面白い!

 

みなさんこんにちは!

弱いくせに囲碁が大好き。あるいはと申します。

長かった2019年のゴールデンウィーク

実家に帰省中、暇な時間には直前に発売されていた王銘琬先生のこんなに面白い世界の囲碁ルールを読んでいました。

囲碁の本といえば定石に布石。様々な戦術について書かれた本にどうしたって惹かれるものです。

だって強くなりたいですからね。(笑)

だけどたまには、そういうのとは趣向の違った囲碁の本を読んでみるのも良いものですね。

こんなに面白い世界の囲碁ルールは、そのタイトルの通り囲碁のルールについてのみ一冊たっぷりと語られた書籍となります。

ですが入門書というわけではありません。

普通、囲碁のルールの本といえば入門者向けの書籍がイメージされますが、こんなに面白い世界の囲碁ルールは既に囲碁に慣れ親しんでいる人向けの書籍だと思います。

囲碁には大きく日本ルールと中国ルールがあるということは、囲碁ファンには周知の事実でしょうけど、その違いを漠然としか分かっていない人は意外と多いのではないでしょうか?

かく言う僕も、例えば囲碁エストを始めとしたアプリは中国ルールで打たれていることを知っているものの、中国ルールのことはあまりよく分かっていません。

日本ルールすら「ほんとにちゃんとわかってるの?」と問われたら、自信を持って肯定はできないような気もします。(笑)

しかし、こんなに面白い世界の囲碁ルールがそういう細かい囲碁のルールの違いについて書かれている本なのかといえば、そうでもないような気がします。

様々な囲碁のルールを紹介し、何でそういうルールになったのかという、囲碁の打ち手からすると一見すると「何だこれ?」と思ってしまうようなルールにも実は合理的な理由があることが丁寧に説明されています。

ルールをこういうものだと割り切ってしまっても囲碁は十分楽しめるゲームではありますが、こんなに面白い世界の囲碁ルールを読むと何気ないルールの合理性、または不完全な部分も含めて気付かされることになります。

まあ、なかなかに難しい内容も含まれているので、一度読んだだけではイマイチ理解しきれていない部分もあったりするのですが、囲碁のルールに対する理解を深めるために、囲碁ファンなら一度は読んでおきたい書籍なのではないかと思いました。

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ルールへの理解は教える側にも役立ちそう

本書を読んで一番に感じたことは、ルールへの理解を深めることは囲碁を教える立場になった時にこそ役立つのではないかということです。

ちなみに、僕も僭越ながら全くの初心者に囲碁を教えようとした経験があります。

そして、その時にこそが囲碁のルールにある不合理な部分をもっとも感じられる瞬間なのではないかと思います。

例えば、日本ルールにある終局の合意なんて最たるものですよね。

ある程度強くなった人ならそういうものと分かって違和感も覚えなくなっているような不合理さに、初心者の人こそが指摘してくるのは興味深いところです。

「なんでそれで終局なの?」

経験者ならほとんどの人が終局と断じる場面でも初心者は理解できなかったりするものです。

王将を取れば勝ちだという将棋に比べると、確かに何とも曖昧で感覚的なルールだって気がしますね。

「この石って生きてるんじゃないの?」

また、二眼作れるスペースがあったら生きるという概念も、初心者には理解しがたいものであるに違いありません。

実際に「二眼作ったら生き」なら理解できるのでしょうけど、「二眼作れるスペースがあったら生き」というところが曖昧なポイント。

簡単な形ならまだしも複雑な形だと初心者に「これは生きているよ」と説明してもなかなか納得してもらえません。

かといって実際に二眼を作ってみせることは、二眼を作る側が損しますからね。

経験者にとっては自明の局面が、実は経験で獲得してきた感覚によるものでしかなく、初心者にとっては不合理に映るわけで、実際に不合理ではあるのだと思います。

しかしこの例の場合、中国ルールであれば実際に二眼を作ってみせることは損にはなりません。

日本ルールでは合意が必要だったところが実戦解決できてしまうわけです。

もちろん、これは中国ルールの方が優れていいることを示しているわけではなく、こんなに面白い世界の囲碁ルールの中ではむしろ日本ルールの良さを主張することの必要性が繰り返し問われていましたが、少なくとも中国ルールの方が初心者が感じている不合理は薄れるのではないかと考えられますね。

ルールの違いは、実際にはルールではなくその場の環境に応じたスコアの集計方法の違いでしかないことも本書内で語られていましたが、初心者に囲碁を教えるという状況の時には中国ルールの方が向いていそうだということも、そういう「環境」のひとつなのだと思いました。

また、こんなに面白い世界の囲碁ルールには純碁という入門方法についても言及されています。

本書を読んで囲碁ルールへの理解を深めることは、これから誰かに囲碁を教えようという人にこそ必要なことなのかもしれませんね。

思っていたよりルールのバリエーションが多い

日本ルールと中国ルールの2つがあることは囲碁ファンには周知の事実なのだと思いますが、それらが成立する過程で廃れたルールも含めて、意外にも囲碁のルールのバリエーションが多岐に渡ることがこんなに面白い世界の囲碁ルールには示されています。

近年でも開催されていて僕でも聞いたことのある世界大会の応氏杯なんて、そういえばどのルールで打たれているのかは知りませんでしたが、なんと日本ルールでも中国ルールでもなく、応氏ルールという独特なルールで打たれています。

着手禁止点がなく、コウ材に使ったりと着手の幅が広がるのが特徴だそうですが、着手禁止点が無いというのはなかなか衝撃的でした。

また、ルールのバリエーションもさることながら、なんでそのようなルールがになったのかまで含めて説明されています。

非常に細かい話なので意外と難しく、僕も一度読んだだけで理解しきれたわけではないのですが、それでもとても興味深くて面白かったです。

ルールによって勝敗に違いが出る部分についても語られています

正直なところ、僕くらいの棋力なら多少のルールの違いがあったところで、それ以前のミスによる勝敗の変動が大きすぎるので全く気にするようなことではないのですけど、囲碁ファンとしてはこういう細かい違いは知っておきたいところですね。

ネット中継と報道での結果に差が生じたことで話題となった中国の柯潔九段とアルファ碁の第二局や、日本ルールと中国ルールの違いで勝敗の変わった2015年の日中韓名人戦の井山九段と陳耀燁九段の対局など、実際の例を交えて分かりやすく説明されています。

最近では囲碁エストなどのアプリでは中国ルールが採用されていることで、セキが絡むと日本ルールとは違う結果になることがあることが何となく分かってきていましたが、それがキッチリと説明されていたので非常に勉強になりました。

総括

いかがでしたでしょうか?

今まで一冊の囲碁の書籍のみを対象としたレビュー記事を書いたことはありませんでしたが、こんなに面白い世界の囲碁ルールが非常に興味深い書籍だと思ったので書いてみました。

著者がこういう囲碁ルールを深掘りしたような内容に造詣が深そうなイメージのある王銘琬先生だったからこそ惹かれた書籍だったのですが、そのイメージ通り非常にマニアックな内容になっていてものすごく面白かったです。

参考までに本レビュー記事を書いている僕の棋力はアマチュア低段レベルですが、それくらいの棋力があれば十分に楽しめる本であったと思います。

新元号「令和」と聞いた瞬間に二人零和有限確定完全情報ゲームが思い浮かんだ人は絶対に囲碁・将棋が好きだと思います。

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ついに新元号が発表されました!

令和ですって!

何が発表されてもそうなったんでしょうけど、何だか慣れないフワフワした気持ちになりますねぇ~

今では慣れ親しんだ平成だって、僕の世代では実感ありませんけど最初は何だコレみたいな感じだったらしいですからね。

まあ、すぐに慣れるのかもしれません。

ちなみに、僕はこうして雑記ブログを運営しているわけなので新元号が発表されたら何かしら記事にしようと思っていたのですが・・

何かタイトルの通りのネタになりました。(笑)

いや、令和という音を聞いて真っ先に二人零和有限確定完全情報ゲームという単語が脳裏をよぎってしまったので。

音が同じなだけで漢字も意味も違いますが、聞きなれない音の単語ってところは共通してますからね。

恐らく、囲碁や将棋が好きで、それぞれのAIにも興味を持っているような人なら僕と同じような思考に至った人も多いのではないでしょうか?

多いのではないでしょうかって、たぶんほとんどいないとは思いますけど。(笑)

そんなわけで本記事では令和という新元号と、二人零和有限確定完全情報ゲームという似た音が混じっているだけで全く関係のない2つの言葉について語っていきたいと思います。

たまにはそんな記事があっても良いですよね?

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令和時代

平成時代がいつかは終わることは自明の理ではありましたが、今上天皇生前退位という形で為されることになるとは、昔は思いもよりませんでしたね。

しかし、2019年4月に平成が終わり2019年5月から新しい時代が始まるとあらかじめわかっていたこともあって、他のイベントごととは比較できない何とも言えない独特の盛り上がりがあるように感じます。

令和という新元号が発表されたことで、まだ新しい時代は始まっていないにも関わらず既に新しい時代が始まったかのような独特なムードが漂っています。

新年度の始まりに新元号が発表されるとあって、2019年3月で平成が終わると勘違いした人も多かったらしく、3月31日にふとtwitterを見てたら#平成最後の日がトレンド入りしていてビックリした覚えがあります。(笑)

みんな気が早いよ~

それにしても、最初は微妙な気もしましたけど、語源が万葉集の一節からというのは奥ゆかしい感じがしてお洒落ですよね。

ローマ字表記だとReiwaとなるので、今まで「M、T、S、H」しか無かった生年月日とかを書く書類には「R」が追加されるのだと思われます。

何となく、そういう書類を見かけるようになったら令和になったのだと実感するようになっていくのではないかと想像します。

二人零和有限確定完全情報ゲームとは?

囲碁や将棋、それからチェスやオセロが好きな人であれば聞いたことのある人も多い言葉だと思いますが、一般的には馴染みの薄い言葉だと思います。

二人零和有限確定完全情報ゲームとは、ゲーム理論におけるゲームの分類の一つで、「理論上は必勝法が存在するゲーム」を示す言葉なのですが、単純なようでいて奥深いゲームが多いのが特徴となります。

また、分かりやすく一言で表すなら「理論上は必勝法が存在するゲーム」となるのですが、正確な定義はこのようになります。

二人:プレイヤーが二人である。

零和:双方のプレイヤーは平等である。

有限:手数が有限である。

確定:ランダム要素が無い。

完全情報:すべての情報が双方に公開されている。

本記事のポイントである零和とは、つまり損得の完全な平等であることを示すわけですね。

当然ながら新元号令和とは何の関係もない言葉です。(笑)

実は本当の意味で定義通りのゲームは存在しない?

囲碁や将棋にチェスやオセロ。五目並べなんかもそうですが、こういう運の要素が介在しないボードゲーム二人零和有限確定完全情報ゲームの代表例とされることが多いですが、実は前述した定義に厳密な意味で該当するゲームは存在しないのではないかと思います。

なぜなら、二人零和有限確定完全情報ゲームという言葉はそもそも矛盾をはらんでいると感じるからです。

「理論上は必勝法が存在するゲーム」であるにも関わらず、零和という「双方のプレイヤーは平等である」という定義を持っているところが、どう考えてもおかしいですよね?

例えば、もっとも単純な二人零和有限確定完全情報ゲームとしてはマルバツゲームが有名ですが、このゲームが先手必勝であることは多くの人が知っていると思います。

さて、マルバツゲームであなたは後手番を引きました。

それでも「双方のプレイヤーは平等である」と思えますか?

とまあ、そこが二人零和有限確定完全情報ゲームという言葉の矛盾だと思うのですが・・

必勝法が存在すると言っても、あくまでも「理論上は」であるところがポイント。

現実的には数多くのゲームで必勝法は見つかっていません。

将棋では先手が有利とされていて実際に一流棋士でも先手の勝率が高いようですが、本当に先手必勝なのかは明らかになっていませんし、囲碁の場合はゲームの特性上明らかに先手必勝ですが、後手の不利を無くして平等にするためのコミというシステムの影響によって、果たして先手必勝なのか後手必勝なのかは明らかではありません。

つまり、確かに「理論上は必勝法が存在するゲーム」ではあるものの、その理論上の必勝法は見つかっていないので、実質「双方のプレイヤーは平等である」状態になっているのですね。

必勝法の発見がもたらす影響

必勝法の発見はロマンのあるテーマだと思います。

自分でやろうとは決して思いませんけど。(笑)

しかし、二人零和有限確定完全情報ゲームにおける必勝法の発見は、恐らくそのゲームの結末を意味するのではないかと思います。

暇つぶしにマルバツゲームをすることはあるかもしれませんが、明らかに先手必勝のマルバツゲームには絶対に囲碁や将棋のような奥深さは持ちえません。

後出しのジャンケンのようなもので、誰も真剣には取り組まないでしょう?

囲碁や将棋のプレイヤーは、誰もが最善を目指すところに魅力を感じているわけで、必勝法の存在にはロマンを感じること間違いなしだと思いますが、それでいて必勝法の発見など望んでいないのではないかと思います。

ちなみに、マルバツゲームよりもずっと複雑なゲームでも必勝法が見つかっているゲームは存在します。

実は、五目並べが先手必勝であることは何と19世紀末には明らかになっています。

それがどのような影響を及ぼしたのかというと、五目並べというゲームのルールを変更する結果に繋がったわけですね。

必勝法の発見はロマンですが、ルールを変えなければ慣れ親しんだゲームを続けられないようになってしまうのは、何だか寂しそうな気がします。

二人零和有限確定完全情報ゲームの魅力

 

必勝法の発見は寂しいねという話をしました。

しかし、プロ制度があるくらいに奥深さのある二人零和有限確定完全情報ゲームにおいては、現実的に必勝法の発見はほとんどあり得ないのではないかと思います。

そのゲームをプレイしたことのある人ほど、その実感は強くなるのではないでしょうか?

どれだけの組み合わせと可能性があって、どれだけの奥深さがあるのかは、具体的な数値を出されるまでもなく自明のこと。

確かに理論上は必勝法が存在するはずであることは理解できても、それが見つかることが感覚的に全く理解できないのですよね。

そもそも仮に必勝法を発見することができたところで、恐らく常人にはもちろん、ハイスペックなコンピューターにだって必勝の手順を辿ることは不可能なのではないかと思います。

そんな必勝法が存在するはずでありながら、現実にはそうではない奥深さが二人零和有限確定完全情報ゲームの魅力なのだと思います。

2019年度の囲碁界は仲邑菫を筆頭に女流棋士に注目ですね!

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www.jiji.com

 

いよいよ明日!

2019年の4月1日は、ついに新元号が発表されるということで、日本中がそのニュース一色に染まることが予測されます。

ついでにエイプリルフールということで偽情報も出回りそうですね。(笑)

しかし、個人的には2019年度にデビューする囲碁の新初段の棋士たちへの興味の方が大きくて新元号は二の次だったりします。

1月5日には国内最年少入団を果たす仲邑菫先生のニュースが話題になりましたが、そんな仲邑菫先生を筆頭に、今年は新初段の棋士たちには注目したい棋士が多いからです。

囲碁が好きだとはいえ、新初段のプロ棋士にまで注目することはあまりないのですけど、今年度は事情が違います。

最年少デビューすることになる仲邑菫先生は囲碁を知らない人にも名前が認知されているくらい話題になりましたが、その仲邑菫先生を筆頭に今年の新入段者には注目すべき点が多いんですよね。

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増える女流棋士

女流特別採用推薦が制定されたこともあり、8人もの女流棋士が誕生します。

新入段者の過半数女流棋士という珍しい事態ですが、これは今後数年で女流囲碁界が盛り上がっていくことが予想されますね。

ところで、囲碁が好きな人にとっての関心ごとって色々あると思います。

井山先生が七冠になる前は囲碁界初の七冠同時制覇が大きな関心ごとでしたし、アルファ碁の登場以降は囲碁AIへの関心が一気に高まりました。

ですが井山先生は既に二度も七冠を達成されましたし、囲碁AIへの関心も一時期よりは収束傾向にあります。

ということで一番の関心ごとといえば、やっぱり日本が中韓と対等に戦えるまでに強くなることでしょうか?

そんな感じで最前線に興味が行きがちですが、女流囲碁界の盛り上がりにも注目していきたいところです。

日本の女流囲碁界は、謝依旻先生の一強時代が長かった印象がありますが、藤沢里菜先生に上野愛咲美先生と、次々と有力な棋士が登場しています。

女流棋士が三大リーグを戦ったり、七大タイトルに挑戦、果ては獲得したりなんかする未来も見てみたいと思うのですが、有力な女流棋士が活躍するたびに少しずつ現実味を増していきますよね。

とはいえ、現実はまだ少し遠いような気もします。

やっぱり女流棋士の方が華やかではあると思いますけど、囲碁が好きな人はよりハイレベルな対局を見たいもの。どんなに女流棋士が華やかでも、人気は一見冴えない(失礼)男性棋士の方に集まります。

そんな中、数多くの女流棋士が誕生することは、女流棋士の活躍の可能性が増えることを意味します。競争も激しくなるでしょうから、全体のレベルも上がるかもしれません。

そうなれば、女流棋士七大タイトル戦に名前を連ねる未来も遠くないような気がしてきます。

それに考えてみれば、これは一番の関心ごとである日本が中韓に追いつくことの遠因にもなるかもしれませんよね?

女流棋士が活躍すれば、囲碁界全体が華やかになります。

そうなれば囲碁に興味を持つ人も増えるでしょう。(増えたらいいなぁ~)

そうして囲碁が普及していけば、競争も激しくなりレベルも上がっていくのではないかと思うのです。

そうしたら中韓と戦える棋士も増えるのではないでしょうか?

というか単純に囲碁が普及したら嬉しいですしね。(笑)

ともかく、数多くの女流の新入段者がいることには、そういう意味で見出せるような気がしたのです。

では、そんな新入段者の中から特に注目したい棋士を紹介していきたいと思います。

いずれも血縁者にプロ棋士がいる先生たちです。

特に注目の棋士

仲邑菫

1月5日に英才特別採用推薦棋士としてプロ棋士に内定した仲邑菫先生のことが大きく報道されました。

英才特別採用推薦棋士が何なのかは以下の記事に書いてます。

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囲碁を知らない人って、国民栄誉賞を受賞した井山先生クラスでもギリギリ知っているかどうかって感じでしょうから、あそこまで大きく報じられた仲邑菫先生。

注目度だけなら断トツであることは間違いありませんね。

プロ棋士内定が発表された直後には井山先生と記念対局したり、通常の入段前の棋士の注目のされかたではありませんね。

井山先生との対局については以下の記事に書いてます。

www.aruiha.com

その後も、崔精九段、曺薫鉉九段、黒嘉嘉七段と、そうそうたる棋士と対局しています。

しかし、いずれも相手が悪すぎましたね。

積極的な打ち方で仲邑菫先生の強さは感じられるものの、明らかに力量差がありそうなことは素人目にも見て取れました。

井山先生との対局も打ち掛け(引き分け)とはいえ、内容的にはかなり井山先生側が良かったと思います。

とはいえ10歳未満の新人ということを考えたら十分な戦果だったのではないでしょうか?

というか、9歳の女の子がこんなメンバーと対局して勝利した、互角の勝負を繰り広げたとか言われたらさすがにビビるわ~(笑)

少し心配なのは、こんな大きく注目されている中、現時点では明らかに格上の棋士と公開で対局させられ、しかも敗北し続けている仲邑菫先生の精神状態。

大人でもツライ状況だと思いますが・・

デビュー戦もまた大きく注目されることが予想されますが、日本棋院は仲邑菫先生を祭り上げるだけではなく、ちゃんと守ってもくれていると信じています。

英才特別採用推薦棋士という制度は画期的ですが、良い意味でも悪い意味でも、仲邑菫先生の今後次第で在り方を問われることは間違いありませんからね。

上野梨紗

囲碁界には万波姉妹や向井三姉妹など、姉妹棋士が多いですが新たな姉妹棋士が誕生しました。

上野梨紗先生の姉は、現在女流タイトルも保持する上野愛咲美先生。

男性棋士に混じっても活躍できそうな有力株の一人ですね。

そんな上野愛咲美先生の妹さんとあって、高い実力が期待できそうな棋士ですね。

しかも、仲邑菫先生ほどではありませんが、12歳という至上3番目の若さでの入段です。

入段時の年齢だけなら姉の上野愛咲美先生すら上回っているのも、入段時の年齢が全てではないと分かってはいても期待してしまう要因になりますよね。

ちなみに、姉の上野愛咲美先生はよくハンマーを振り回すような攻撃的な棋風であると称されますが、師匠の藤澤一就先生によると妹の上野梨紗先生もまた違ったタイプの攻撃的な棋風だそうです。

羽根彩夏

親子三代にわたってプロ棋士といえば、藤沢秀行先生、藤澤一就先生、藤沢里菜先生が有名ですが、親子三代が現役という棋士が初めて誕生しました。

父は言わずと知れた平成四天王の羽根直樹先生。

祖父は元王座の羽根泰正先生。

唯一の親子で七大タイトル経験者という羽根親子の孫世代が羽根彩夏先生です。

顔は完全に父親似だと思いますが、実力の方はどうかという所が気になるところですね。

ちなみに、仲邑菫先生も父親はプロ棋士なので、羽根彩夏先生と合わせて二世棋士が同時に2人誕生したことになるのですが、興味深いのはこの2人の父親。

仲邑信也先生と羽根直樹先生の2人も同期入段なのです。

親子で同期入段というのは、さすがに今後そうそうなさそうですね。

人生を豊かにする! お一人様でも楽しめる至福の趣味 おすすめ10選

 

こんにちは!

多趣味すぎて時間がいくらあっても足りないあるいはです。

まだまだブラックな社畜も多い世の中ですが、最近は働き方改革やらの影響で多少時間ができてきている人も多いのではないでしょうか?

そんな中、何か新しい趣味を始めてみたいって考えている人も多いと思います。

趣味はいろんな意味で人生を豊かにしてくれます。

話のネタにもなりますし、他の人よりも好きな趣味があるということは、それだけで大きな自信にもつながります。

趣味は個性であり、力でもあると思うのです。

しかし、僕のような多趣味人間には信じられない話なのですけど、週末は寝て過ごすから趣味なんて無いなんて人も意外と多い世の中。

そんなのは人生を損していると思いますし、何か趣味を見つけてみませんか?

大きなお世話でしょうか?

まあ、この記事にたどり着いたような人は、そもそも何か新しい趣味を見つけたいって思っている人だと思いますけどね。(笑)

本記事では、数ある趣味の中からお一人様でも楽しめるものを厳選して紹介したいと思います。

僕が実際に趣味としているものから選んでいるので多少偏っているかもしれませんが、その辺はご了承ください。

本記事の読者のみなさんの趣味探しのお手伝いになれば幸いです。

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1.囲碁

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囲碁は一度ハマったら人生通しての趣味にできる上に、コストパフォーマンスが最高の趣味だと思います。

競技人口が少ないのがたまに傷ですが、老若男女問わず誰でも対等に楽しめるのが魅力で、近年ではオンライン環境が充実しているため競技人口の少なさはそこまで気にする必要もありません。

実際、世界に目を向けたら将棋よりも競技人口はずっと多いですし、対戦相手には困りません。

それに、何だか囲碁が趣味だって言うとそれだけで格好良くないですか?

囲碁が好きな人は別に格好を付けたくて囲碁を趣味としているわけではないと思いますが、それでも自信を持って良い趣味だと言える趣味が一つできるのは魅力だと思いませんか?

頭の体操にもなりますし、ある程度強くなってくると、囲碁の考え方って色々な場面に当てはまる素敵なものだってことに気付くことになります。

しかし、唯一の欠点は入門に壁があること。

前述した通り競技人口が少ないので、周囲に教えてくれるような人間がいるケースは稀だと思います。

それなのに将棋に比べてゲームを成立させることができるに至るまでのハードルが高いのが特徴の囲碁ですが、とはいえ独学での入門も不可能ではありません。

独学で囲碁を始めてみたい人は、実際に独学で囲碁を覚えた僕の経験をまとめた以下の記事を参考にしてみて欲しいです。

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2.読書

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無難だけど素晴らしい趣味が読書だと思います。

僕の場合、本ブログの記事のラインナップを見ての通り、読書のラインナップの9割が漫画やラノベになっていますが、それはそれで胸を張って良い趣味だと思っています。

TVドラマ、映画、アニメ等の映像系の趣味に比べると自分のペースで楽しみやすい上にお手軽なのが魅力的だと思います。

僕は完全に紙の本派ですが、最近はKindle端末で読んでる人も多く見かけるようになってきました。

電子書籍でも良いって人にとっては、今まで以上に手軽に楽しめるかもしれませんね。

本は情報の塊なので、常に新しい発見が含まれているのも魅力です。

それは漫画やラノベですら例外ではなく、読んだ本の数だけ間違いなく何かしらの影響を受けることになり、それが個性に繋がっていくのではないかと思います。

1点だけ最大の欠点があり、それはコストパフォーマンスの悪さとなります。

もちろん読書量にもよるのでしょうが、僕の場合は僕の貯金がなかなか増えない諸悪の根源的な趣味になってしまっています。

まあ、ほどほどにねって感じでしょうか。

3.書店巡り

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読書好きだから書店巡りを持ってきたのかと思われるかも知れませんが、個人的には全く別物の趣味だと思っています。

かつて会社の同僚に書店巡りが趣味だと話したことがあるのですが、「本屋なんてどこも同じでは?」と返されてしまったことがあります。

いやいや、そんなことはありません。

規模の違いとか品揃えとか、そういう単純なことを言っているのではなく、似たような規模や品揃えの書店にも何かしら個性があって、その違いがとっても面白いのです。

そして、その微妙な個性の違いは新たな作品との出会いを生んでくれたりもします。

例えば、ある書店では全く推されていない作品が、別の書店では大きくプッシュされていたりなんて、ザラにあることです。

新刊書店と中古書店の違いも面白いですし、特に中古書店には特定ジャンルに特化したような書店もあり、普段読まないようなジャンルの店ですら興味深く感じられます。

僕は高校生くらいの頃から書店巡りを趣味にしていて、初めて行く土地ではまず初めに書店の位置を確認するくらいなのですが、そんな感じに始めて行く土地での目的も作りやすかったりするので、サブの趣味としてはオススメです。

4.映画鑑賞

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最近ではBlu-rayどころか多種多様な動画配信サービスも充実しているので、もしかしたらわざわざ映画館まで足を運ばないって人も多いかもしれませんね。

しかし、やっぱり映画館には代えがたい良さがあると思うのです。

僕の場合は映画館という場所の雰囲気そのものが好きなのですけど、第一にはやっぱり大画面での迫力は自宅では味わうことのできない魅力です。

そして、もちろん鑑賞中は静かにしていなくちゃいけないんですけど、面白いシーンではフッと小さな笑い声がこだましたり、感動的なシーンでは鼻をすする声が聞こえたり、同じシーンで同じ感覚を共有しているような感じが映画館ならではだと思います。

ちなみに、本記事はお一人様でも楽しめる趣味を紹介する趣旨ですが、映画館に一人で行くことに対して抵抗を持っている人は少なくないようです。

しかし、僕はそんなことは無いと思っていて、そのことについては以下の記事にまとめているので抵抗がある人は是非ご一読いただけると幸いです。

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5.アニメ鑑賞

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最近のアニメを毎週楽しみに見るのも良いけど、全話一気に見るってのもまたなかなか良いものです。

昔と違って1~2クール程度のアニメが多い世の中、まる1日あれば全話一気見は不可能ではありませんしね。

とはいえ、かなり纏まった時間が必要であることには違いありませんが、1話ずつ見るよりもそのアニメに入り込めるというのが魅力です。

だからか、リアルタイム放送時には切り捨ててしまっていたアニメを後から一気見することでハマってしまうなんてことも珍しくありません。

ニコ生一挙放送でコメントを通して同志とコミュニケーションしながら見るのも一体感があって、これまた違った魅力があったりします。

また、アニメ鑑賞と言えばオタクっぽい趣味の代名詞みたいなところもあって公言することを憚る人もいますけど、最近では昔ほどアニメ鑑賞の趣味としての地位は低くありません。

極端すぎると引かれがちですが、たまにはアニメ鑑賞を楽しむのも面白いと思います。

6.楽器演奏

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全くの未経験者が始めるのにはそこそこハードルの高さがあるかもしれませんが、ひとつ好きな楽器を見つけて練習してみるのも、ハマれば良い趣味になると思います。

楽器に限らずスキル系の趣味には、趣味とするからには人よりも優れていなくてはいけないという、全くそんなことはないと思いつつも無意識にそう思ってしまいがちなところがあると思います。

しかし、そこは趣味なので下手の横好きで全く構わないというのが僕の考え。

僕の場合はピアノを少し嗜みますが、演奏技術は幼稚園児並だし、作曲や編曲も月並みにしかできませんが、昔からピアノが好きだと言い張っています。

そうするとたまに凄く弾けるんだと勘違いされますが、全くそんなことはないというの現実だったり。(笑)

だから単純に聴いていて心地良いと思う楽器や、好きな演奏者や作曲家のいる楽器なんかを選んで嗜んでみると、長年の趣味になるかもしれませんよ!

とはいえ、選ぶ楽器によっては相当高価だったり、練習する場所に困ったり、教えてくれる人がいなかったり、周囲の環境によっては難しい可能性があるのがデメリットでしょうか。

7.スポーツ

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本格的に何かの競技に打ち込むのも面白いかもしれませんが、そこまでいかなくても筋トレやジョギングを習慣化する程度でも十分に良い趣味だと思います。

ただ単純に健康のためにも良いですし、純粋に体力が付くと日常生活の中でも体が軽く感じられます。

全く運動していない時期に比べると、それは雲泥の差だったりします。

体力が付くことは、それだけで自信にもなるってのも魅力ですよね。

僕の場合は毎日夕食後に筋トレ、週末にジョギングを嗜んでします。

実はダイエットや競技の練習を目的とするには効率の悪いやり方をしてしまっていたりするのですけど、それは分かった上で自分が楽しいと思うように運動しているのが僕のスタイル。

効率の悪い部分はあるけど、楽しめる範囲で運動しているからこそ結果的に体力も向上してダイエットにもなっているという点がポイントだと思います。

よく楽なダイエット方法なんて見かけますが、効率良く続けられもしないダイエットを実践するよりも、効率悪く楽しめる範囲でスポーツを趣味にすることの方が、よっぽど効率の良いダイエットなのかもしれませんね。

8.絵を描く

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楽器演奏もそうですが、創造性のある趣味はハマると楽しそうですよね。

本当に本格的に嗜もうとすると、画材を揃えたり絵を描く場所を確保したりと楽器以上に準備に難がありそうなイメージがありますが、PC上で様々な画風のお絵描きを可能とする環境を揃えることができますし、近年だとタブレット端末一台で液晶タブレット代わりになってしまう時代です。

僕も昔から絵を描くことに興味はありつつも意外と大変そうなので遠ざけていた所もあるのですが、近年かなりお手軽になってきたこともあって最近ちょっとずつ挑戦してみたりしています。

電子データなので良くも悪くも失敗が許されますし、下手な人でもトライ&エラーを繰り返せるのが魅力だと思います。

以下の記事にiPadとApplePencilでお絵描きしてみた感想をまとめているので、興味がある人はチェックしてみて下さい!

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9.ファッション

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僕のようなオタク気質にはファッションを軽視しがちな人間が多いような気がしますが、案外そういう人の方がハマるととことんハマりそうな世界がファッションです。

安いけどオシャレで人とはちょっと違う個性を持ったファッションに挑戦してみたり、たまにはちょっとお高いブランドの服を着てみたり、実用重視ではなくちゃんと格好良い、可愛らしいと思えるような服装に身を包むことは、それだけで自信に繋がるものです。

僕の場合、大学生くらいまでは割とファッションに無頓着でしたが、社会人になってから「大人なんだし服装もそれなりにちゃんとしないと」という思いで興味を持つようになりました。

とはいえ安物ですら意外とお高い洋服の世界。

余程ガチのファッション好きでも洋服を年中買いまくるなんてことは無いでしょうけど、ちょっと手が届かないハイブランドの店をウィンドウショッピングしてみるのも、たまには楽しいものです。

サブの趣味としては意外とオススメです。

10.ブログ

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文章を書くのが好きな人にはおすすめの趣味です。

ブログは本当に自由度の高い趣味で、好きなことを好きなように記事を書くことができます。

もちろん、人に読んでもらおうと思ったらそれなりに考えて書く必要があるかもしれませんけど、自分の思っていることや考えを開放することはかなりのストレス発散にもなりますし、それを読んで面白いと思う人が少しでもいると思うと、それだけで嬉しくなってしまうものです。

それに、Googleアドセンス広告やらでお小遣い程度の収益を得ることができるのも魅力ですよね。

実は、今まさにこうしてブログの記事を書いている僕も、ある日突然フッと「なんかブログでもやってみようかなぁ~」と思いついた感じなのですが、それが半年近くも継続できているのはそれだけ面白いと思える趣味だからです。

確かに読んでくれている人のいる実感が達成感になるのが病みつきになってしまう理由かも知れません。

囲碁を始めたらインストールするべきオススメ神アプリ5選

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みなさん、囲碁やってますか?

ナメクジ並みの棋力のあるいはです!

いきなりですが、囲碁は2人いなければできないゲームです。

かつて一世を風靡したヒカルの碁でも、登場人物の1人である桑原本因坊がこう言っています。

「碁は1人では打てんのじゃ。2人要るんじゃよ」

うわ~

僕みたいなコミュ障には耳の痛い話です。

囲碁は好きだけど、1人じゃ打てないなんてっ・・!

そもそもコミュ障でなくとも、周りに囲碁を打てる人なんていねぇよ!

だけどちょっと待ってください。

そんなことに悩まなきゃいけなかったのはもうとっくに昔の話です。

ヒカルの碁で一躍有名になったネット碁なら僕みたいなコミュ障でも、碁を打つだけなら誰とでもできます。

将棋ほど競技人口が多くない囲碁でも、ネット上には囲碁好きの同志が山ほどいますからね。

そして、今なら囲碁を楽しむのってもっと手軽なものなんです。

一昔前なら考えられないくらい数多のアプリケーションが溢れかえる世の中。

囲碁という比較的マイナーなゲームにおいても驚くほど多種多様なアプリケーションが存在しています。

中には超手軽にオンライン対局できるようなアプリケーションもあって、結果的に囲碁に対する敷居もめっちゃ下がっているのではないかと思っています。

しかし、非常に似通ったアプリケーションがあまりにも多いので、その辺の情報に疎い初心者や、久しぶりに囲碁をやろうって人には何をインストールしたら良いのか迷うことになるのではないでしょうか?

内容的には似通っていても、操作性やユーザインタフェースの良し悪しにはかなり差があったりもするので、適当に選んだりするとガッカリしてしまうかもしれません。

本記事では、興味本位で色々なアプリケーションを使ってみたことのある僕が、最終的にずっと使うこととなった、おすすめのアプリケーションを5つ紹介したいと思います。

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1.囲碁エス

囲碁クエスト

囲碁クエスト

  • Yasushi Tanase
  • ゲーム
  • 無料

恐らく囲碁アプリとしては最も有名なのではないでしょうか?

超手軽にオンライン対局できるアプリで、9路、13路、19路に対応しています。(19路は9路、13路のレーティングが一定以上必要)

どちらかといえば9路、13路の小路盤での対局が活発で、レーティングの近い人同士を自動的にマッチングしてくれます。

2019年現在、常に結構な人数がいるようで、マッチングまで待たされるという感覚はほとんどありません。

それにネット碁会所(幽玄の間、タイゼム、野狐など)に比べると初心者でもオンライン対局に挑戦しやすいのではないかと思います。

ネット碁会所は19路が中心なこともあって、一番下のレベルでも初心者よりはそこそこ打てるくらいになっている人が多い印象ですが、囲碁エストのレーティングが下の方にはかなりの初心者もいますし、弱いbotと対局することもできるので、初心者でも比較的挑戦しやすいと思います。

19路でダメダメだと相手にも悪い気がして肩身が狭くなってしまいがちですが、9路だとその辺マシになると思いますしね。

ちなみに、下記は囲碁エストのプレイ動画となります。

【あるいは】囲碁クエストの自戦を実況してみました。 - ニコニコ動画

2.囲碁ウォーズ

囲碁ウォーズ

囲碁ウォーズ

  • HEROZ
  • ゲーム
  • 無料

囲碁エストと同じく、オンライン対局のアプリケーションとなります。

僕は両方とも使っているものの、どちらかといえば囲碁エスト派なのですけど、もしかしたら初心者向けには囲碁ウォーズの方が合っているかもしれません。

というのも、AIの棋神の助けを得ることができるので、うまく使えば初心者でも良い手を打てるかもしれないからです。

公式のカンニングみたいなものなので僕は使わない派ですが、初心者でも良い手を打てるってのは単純にやる気に繋がるのではないでしょうか?

もちろん、囲碁は一手だけ良い手を打てても後に続ける必要がありますが、良い手を身に付ける助けにはなりそうですよね。

また、ロード時間に簡単な手筋問題のようなものが表示されたり、ちょっとした勉強になる点も魅力です。

それに、単純にエフェクトが派手でゲーム的なところが、まだまだ囲碁そのものの魅力が分かるところまで至っていない初心者でも飽きずに楽しむことができるのではないかと思うんですよね。

3.実践詰碁 

実戦詰碁

実戦詰碁

  • UNBALANCE Corporation
  • ゲーム
  • ¥360

詰碁関連のアプリケーションは相当数ありますが、個人的にはこの実践詰碁を愛用しています。

何が魅力的って、ランダムに問題を出題するようにできて、それをぱっぱと次々と解き進めることができる点です。

当たり前っぽい機能に聞こえるかもしれませんが、詰碁関連のアプリケーションにはまるで書籍をアプリ化しただけのような、これなら本を買った方が良いと思ってしまうようなアプリケーションが意外と多いんですよね。

ユーザーインタフェースも使いやすいですし、画面の見栄えも華やかで魅力的です。

何より出題される問題が実践詰碁だという点が良いんです。

実践詰碁とは、実戦でよく現れる定石後の形なんかが問題になっているのですが、それだけに実際に同じような場面に遭遇するようなことも多く、このアプリケーションで勉強して身に付いたことが非常に実感しやすいのが魅力的です。

1つだけ、少々リソースを食うからか、iPhoneのミュージックプレイヤーと同時に起動できないのだけが玉に傷だったりします。

4.詰碁の森 

内容的には実践詰碁に非常に近いですが、こちらの方が知名度は高いでしょうか?

個人的には、解けない問題の解答を見るのに広告を見るかポイントを使うかしなければいけなかったり、ランダムな出題機能が無かったりするので実践詰碁の方を愛用しているのですが、初心者の入門向けにはこちらの方が合っているかもしれません。

もっとも簡単なレベルの問題は、詰碁というか既にアタリ(次に石が取れる状態)になっている状態で石を取るような基礎中の基礎のような問題、超基本的な手筋を選ぶだけの問題なので、超初心者が石の取り方を練習するといったことに使えます。

僕は最近母親に囲碁を教えているのですが、こういう超基礎的な問題って全くと言っていいほど見かけないので、詰碁の森の最低レベルの問題を解いてもらって石の取り方に慣れてもらったりしていました。

5.詰碁~教えてパンダ先生~

詰碁〜教えてパンダ先生〜

詰碁〜教えてパンダ先生〜

  • PANDANET Inc.
  • Spel
  • Gratis

これも詰碁のアプリケーションですね。

ですが紹介したいのは詰碁の問題ではなく、通称『パンダ先生』と言われる詰碁の問題を作成・検証するための機能です。

最近の囲碁AIは人間よりも強く、しかし手数の長い読みは苦手だという弱点もありますが、『パンダ先生』は部分的な死活だけなら完璧だと言われています。

プロ棋士が詰碁の問題を作成する際の検証にも使っているほどの機能だとのこと。

僕は詰碁を作ったりはできないし、そんなつもりもないので最初は興味本位で使ってみましたが、ちょっと面倒ですが実戦で読めなかった死活の検証なんかにも使えます。

検討にはLeelaZeroを始めとした強い囲碁AIを使えば十分説もありますが、これらの囲碁AIでは部分的な死活の答えまでは分かりませんからね。

『ヒカルの碁』原作漫画全巻のレビュー記事まとめ(ネタバレ注意)

 

囲碁を始めるキッカケになった人も多いのではないでしょうか?

約半年、『ヒカルの碁』の全巻のレビュー記事を書いてきて、もの凄く懐かしい気持ちになりました。

これらの記事は『ヒカルの碁』という漫画の魅力を伝えたい意図があるのはもちろんですが、それ以上に囲碁に興味を持つ人が1人でも増えたら嬉しいなぁという想いもあったりします。

本記事は、そのヒカルの碁のレビュー記事をまとめたものとなります。

面白そうだと思ったところから読んでみて、少しでも『ヒカルの碁』や囲碁に興味を持ってもらえたら幸いに思います。

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ヒカルの碁1巻

ヒカルと佐為との出会い。

ヒカルと塔矢アキラとの出会い。

そして、ヒカルと囲碁との出会いを描いた始まりの1巻となります。

佐為と塔矢行洋という最強の同志の出会いもありますね。

1巻の時点では、佐為やアキラの囲碁への熱意に比べてヒカルが冷めているのが特徴ですが、これが徐々に囲碁に惹き込まれていくのが面白い作品なのです。

ヒカルと一緒に囲碁に惹き込まれていった読者も多いと思いますが、僕もその内の一人です。

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ヒカルの碁2巻

貴重な佐為の敗北シーン(ヒカルの打ち間違い)から始まる2巻。

ヒカルもかなり囲碁に興味を持ち始めています。

加賀との対局に敗北したことにより、中学生のふりをして囲碁部の大会の団体戦に出場することになったヒカルが、練習を観戦していた対局を初手から並べなおしたりと才能の片鱗を見せつけます。 

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ヒカルの碁3巻

囲碁部において実力者を妬んでいじめる先輩や、ズルして賭け碁で稼ぐ中学生に、それを騙して窘める大人。

そんな少々囲碁のダークな一面を描かれているのが特徴の3巻です。

反面教師的に、例えば佐為のように真っ直ぐ囲碁を好きでいたいとか、筒井さんのように誠実に囲碁に接したいとか思えるようになったらしめたものなのかもしれませんね。 

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ヒカルの碁4巻

インターネットに潜む最強棋士。saiが登場する4巻ですね。

ヒカル碁の作中でも最も好きなエピソードの一つですが、まだまだ現在ほどインターネットが一般化していなかった時代にこんなエピソードが描かれていたというのは何だか感慨深いですね。

幽霊である佐為をファンタジー的な力ではなく、科学的な力でその存在感を示させたという興味深いエピソードだと思います。

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ヒカルの碁5巻

ある意味では本当の意味でヒカルの碁が始まったような気がする5巻ですね。

囲碁に興味を持って葉瀬中囲碁部で打ち始めたヒカルでしたが、それがsaiの碁に触れ、アキラに突き放され、そして岸本の後押しも受け・・

ついにアキラを追いかけ始めることになり、 本当の意味でヒカルの碁が始まったのだと感じられます。

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ヒカルの碁6巻

囲碁界のことをよく知らない人に、間接的にアキラの実力を知らしめる6巻。

アキラにとっては院生ですらぬるい。アキラの受けたプロ試験でも全く寄せ付けない感じだったので、よく知らない人は院生を過小評価してしまっていたところがあるかもしれませんが、実際は天才中の天才の集まりです。

岸本ですら生き残れなかった院生に手こずるヒカルでしたが、アキラの新初段シリーズの対局を見たヒカルはやる気満々になりました。

ヒカルがアキラの起爆剤となり、アキラもまたヒカルの向上心に火を付ける。

今まで間に佐為がいたこともあってあまりライバルっぽくなかった関係が、良いライバル関係になってきたように感じられます。

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ヒカルの碁7巻

プロ棋士とそれなりに渡り合えるまでに成長したヒカル。

6目半差の負けは結構な差ですが、村上プロとの対局では佐為ですらスグには気付かなかった悪手を好手に化けさせる打ち回しを見せ、ヒカルの棋風らしきものも何だか見えてきましたね。 

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ヒカルの碁8巻

碁を始めて千年になる佐為が格好良い8巻。

院生上位クラスでも渡り合える成長したヒカルがついにプロ試験予選に臨みますが、慣れない大人との対局。それもいかにも風変わりなヒゲ男である椿との対局にペースを乱されてしまいます。

同年代の子供以外との対局に尻込みしてしまう精神の弱さ。

意外な弱点にヒカルは苦しむことになりますが、和谷と伊角さんと碁会所を巡って大人との対局に慣れることになりました。

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ヒカルの碁9巻

プロ試験本戦に向けて急成長するヒカルが見られる9巻。

置き碁で下手と対局することの効果。多面打ち持碁で目算力を鍛え、洪秀英との対局では大きな成長を見せました。

多面打ち持碁でヒカルは四面中一面を間違え、アキラが四面全てを成功させたのが現時点での実力差を象徴しているようで興味深いですが、一方でたった一面一目の差まで迫ってきているとも見られますね。 

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ヒカルの碁10巻

ヒカルの碁』史上最も有名な名言が飛び出す10巻。

 アキラに師事する越智が、アキラにヒカルに入れ込む理由を問いただした結果、ヒカル(佐為)との対局の棋譜を越智に公開します。

「ここで僕が投了!」は最も格好良い投了として有名ですよね。

他にも双方ともに苦い経験となったヒカルと伊角さんの対局など、見所はたくさんあります。

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ヒカルの碁11巻

プロ試験本戦が佳境の11巻。

佐為の考えをトレースしようとしたり、ちゃんと師弟関係なんだと思えるようなエピソードがあったり、ヒカル、和谷、伊角さんと一緒に碁会所でチーム戦した仲の3人が最後に三つ巴の状態になったり。

実力的には合格最有力であったであろう伊角さんが不合格になってしまったり、実力があることは前提としても、生もの感のある厳しいプロ試験が垣間見えます。

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ヒカルの碁12巻

ついにプロ棋士になったヒカル。

しかし、ヒカルがプロ棋士として活躍しだすまでには少々タイムラグがあり、この辺りから佐為に関連するエピソードが続きます。

12巻では佐為と塔矢行洋の頂上決戦・・といってもヒカルの新初段シリーズの場を借りての対局なので、その実力が十全に発揮できないように自らにハンデを課しての対局となりました。

いろいろな意味で必至な佐為に哀愁が漂い始めます。

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ヒカルの碁13巻

 ヒカルの碁の作品中のツートップの頂上決戦。

12巻では不本意な形での対局となりましたが、塔矢行洋の入院をキッカケに、インターネット上での『sai vs toya koyo』の対局が実現されました!

佐為のために何とかセッティングしようとするヒカルが格好良いです。

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ヒカルの碁14巻

じわじわと胸が痛くなってくるような展開。

ついに頂上決戦が決着し、佐為が名実ともに作中最強の棋士と言っても過言ではない状態になりました。

しかし、一方で佐為の不安は徐々に大きくなっていきます。

いつまで現世にいられるのか?

大きくなる不安と、全く気にも留めないヒカルのギャップほど切ないものはありませんね。

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ヒカルの碁15巻

 作中でもっとも哀しい15巻。

プロ棋士として順調にスタートを切るヒカルに対して不機嫌な佐為。

「ヒカルなんか私に勝てないくせに」という一流の者が普通は口にしないであろうことを佐為ほどの実力者が放ってしまうほど不安定になっています。

一方のヒカルは相変わらず佐為が消えるなんて全く想像もしていなくて・・

そして、唐突な別れが訪れる。

ヒカルの慌てようがあまりにも切なかったです。

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ヒカルの碁16巻

珍しくヒカル以外のキャラクターが主人公になった16巻。

プロ試験合格の実力を持ちながら、何年も合格できずにいる伊角さんが中国で修行するエピソードです。

実力はともあれメンタル面に弱点のあった伊角さんの成長と、そして帰国してプロ試験を控えた伊角さんと囲碁から離れようとしているヒカルの対局が見所です。

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ヒカルの碁17巻

ヒカル復活の17巻。

伊角さんとの対局を通して佐為が自分の碁の中にいることに気付いたヒカルが囲碁の世界に戻ってきます。

ヒカルを碁の世界に連れ戻すことが伊角さんの役割だったわけですね。

そして、ついにヒカルとアキラの初めての本当のライバル対決が行われます。

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ヒカルの碁18巻

ヒカルの碁で唯一の短編集となる18巻。

本編では見られないサブキャラクターたちの活躍が見られるのが魅力です。

特に久々に佐為が登場する短編もあって懐かしい気持ちになれるのはもちろんですが、佐為の圧倒的強者感がわかりやすいエピソードでもあります。

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ヒカルの碁19巻

賛否が分かれる北斗杯編の始まりです!

佐為がいなくなった後の物語ということで蛇足だと揶揄されることもある北斗杯編ですが、個人的には囲碁界のより深い部分に触れられているように感じられてメッチャ好きなエピソードなので、是非とも蛇足と思わずに読んで欲しいと思います。

ヒカルの碁の中に佐為がいるというのが第一部の結論でしたが、そういう意味で興味深いのは門脇さんとの対局。

かつてのヒカル(佐為)と現在のヒカル(ヒカル本人)が比較されてしまいます。

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ヒカルの碁20巻

初手天元や五の五といった趣向的な打ち方をする社が登場する20巻。

囲碁のことをよくわからない人でも「何だかよくわからないけどすげ~!」ってなることでお馴染みの展開ですが、囲碁のことがある程度わかってくるとより一層「すげ~!」ってなります。

囲碁の深淵というか、奥深さが垣間見える面白さがあります。

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ヒカルの碁21巻

勝負師としての越智が格好良すぎる21巻。

社の方が自分よりも認められていることを感じ取って、ルールに従えば北斗杯メンバーに内定しているのにあえて社との対局を申し入れるプライドが格好良すぎますね。

また、北斗杯メンバーがアキラの家で合宿しているシーンも、第一部までのアキラとヒカルの関係を思えば感慨深いものがあります。 

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ヒカルの碁22巻

北斗杯の対中国戦の22巻。

経験不足からくる緊張と高永夏への敵愾心が相まって序盤から不調のヒカル。応援に来てくれたヒカルのお母さんもいたたまれなくなってしまうほど叩かれてしまいます。

しかし、辛抱強く粘って逆転の一歩手前まで相手の王世振を追い詰めます。

必敗の形勢からの好勝負は囲碁の魅力の一つだと思います。

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ヒカルの碁23巻

敗北で完結する最終巻。

中国戦での後半の猛追を認められたヒカルは韓国戦で念願の大将になります。

打倒高永夏を目指し、互角の攻防を繰り広げるヒカルでしたが、惜しくも半目届きませんでした。

主人公が敗北して完結することに違和感を覚えた人も多いようですが、個人的にはこれはこれで良かったのではないかと思いました。

囲碁は勝って終わりというわけではありませんし、これからもヒカルの碁が続いていくんだという風に感じられたのがその理由です。

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ヒカルの碁 鑑賞会 漫画編! 懐かしの漫画、書評シリーズ【その2】23巻

 

ついに最終巻!(前巻の書評はこちら

ヒカルの碁』の北斗杯編は佐為がいなくなってしまったこともあって、「これは蛇足だ」「いらなかった」「主人公が負けて終わるなんて」と否定的な意見も多い所ですが、僕は全くそうは思いません。

むしろ、個人的には僕が今でも囲碁を趣味としているのはこの北斗杯編の影響が実は大きかったりするくらいです。

ヒカルvs社の対局で囲碁の自由さと奥深さを知り、ヒカルvs高永夏の対局に元ネタがあることを知って初めて棋譜並べをしてみたり。

囲碁のプロの世界や海外での囲碁事情などにも興味を持つキッカケになりました。

たぶん、あくまでも漫画を読みたくて『ヒカルの碁』を読んでいる人にとっては佐為という魅力的なキャラクターがいなくなってしまい北斗杯編は物足りなかったのかもしれませんが、囲碁の漫画としての『ヒカルの碁』を読んでいる人にとっては、囲碁界の変動や広がりが見られる北斗杯編は面白く感じたのではないかと思っています。

まあ、佐為がとても魅力的なキャラクターであったことは間違いありませんから、その不在を否定する人の気持ちはわからなくもありませんけど。

ちなみに、この最終巻にはそんな大人気の佐為が久しぶりに登場する短編も入っていますよ!

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本作の概要

いよいよ最終巻で、最終決戦です。

高永夏に敵愾心をむき出しのヒカルでしたが、中国チームとの副将戦で敗北したものの期待できる打ち回しを見せることができ、韓国チームとの団体戦では大将を務めることができました。

驚き戸惑う周囲の声を尻目に、ヒカルは高永夏との対局に臨みます。

本作の見所

ヒカルvs高永夏

最終決戦ということで最終巻の大半を使って描かれるヒカルと高永夏の対局。

詳細は今回の棋譜紹介で後述するとして、まさに一進一退の緊張感のある対局が描かれています。

意外と、この対局ほど対局者双方の考えが事細かに描写されているシーンって『ヒカルの碁』にはありませんよね?

特に、ヒカルが格上相手と対局する時にはマジで珍しいですよね。

相当な強キャラとして描かれている高永夏ですが、ヒカルの打つ手に戸惑ったり自分の失敗に気付いたり、どんな強い人でも全てが順風満帆では無いということが分かる感じで興味深かったです。

アキラvs林日煥

ヒカルと高永夏の対局も良いですが、アキラの対局もなかなか苛烈な感じで面白いと思います。

何というか、アキラはヒカルに見せたい意図がある対局の時、座間王座との対局の時もそうでしたが積極的な打ち方をする傾向がありますね。

意外とパワーファイターというか何というか。

普段の性格と棋風が一致していない碁打ちは多いですけど、アキラもそんな感じですよね。

決着

そういうわけで、第一部のラストはヒカルとアキラのライバル対決でしたが、北斗杯編はライバル並んでの対局となりました。(社もいるけど)

各所でヒカルは格上に勝てない主人公だと言われていますが、ラストは健闘したものの高永夏に敗れて終わります。

現代の日本と中韓囲碁の実力差・実績を踏まえたら、かなりリアリティのある最後でありつつも、少年漫画のラストとしては少々もの哀しさもありますが、個人的には良い終わり方だったような気がします。

何というか、『ヒカルの碁』という漫画は終わっても、囲碁という終わりのないゲームを象徴しているような気もするんですよね。

ナンバーワンになったら終わりというわけでは絶対にありませんけど、漫画の中でナンバーワンになってしまうと、何か極まったというか、終わってしまったような感じがしてしまいますから、敗北で終わりというのもありなのかなって。

久しぶりの佐為

高永夏の対局中の描写が描かれていたことで、どんなに強い碁打ちでも全てが完ぺきとはいかないということが分かったということは前述しましたが、どうやら作中最強である佐為も例外ではないようです。

いやはや、番外編ですが久しぶりの佐為の登場はマジで嬉しいですよね。

しかも、本編では描かれたことの無かった対局で追い詰められているシーンが描写されているのですが・・

その対局が最初にアキラを一刀両断した時のシーンだというのが興味深いですね。

そう、アキラを一刀両断したシーンの佐為視点での短編なのですが、少ない『ヒカルの碁』の短編の中でも個人的には一番好きなんですよ。

実は、この対局で佐為は甘く見ていたアキラの実力が想像以上で、油断して一旦かなり追い詰められていたようです。

追い詰められていたからこそ、一刀両断するしかなかったというわけですね。

確かに、格下相手の対局でふと劣勢になった時に一刀両断するような勝ち方をしてしまうことって、意外とよくあることな気がしますが、佐為もあの時そういう状態になっていたわけです。

作中最強の棋士の本編では見られなかった追い詰められた姿が見られる面白い短編だったと思います。

本作の棋譜 教えてLeelaZero先生!

最後はやっぱりヒカルと高永夏の対局で、劉昌赫九段(黒)と若かりし李世ドル三段(白)の対局が元ネタとなります。

個人的には初めて棋譜並べをした棋譜なのでかなり思い出深く、当時は囲碁界のことにもあまり詳しくなくて日本の棋士の名前すらほとんど知らない状態だったのに李世ドル先生の名前は覚えていました。

当時の僕は二桁級で、手の良し悪しも全くわかりませんでしたが、それでも初めて棋譜並べした碁ということで本局の流れはかなり鮮明に覚えています。

今思えば、左上の高いハサミに対して両ガカリするような打ち方がかなり珍しいということがわかりますが、星に高くハサまれたら両ガカリすれば良いんだと思って、ずっとそう打っていたりしました。(笑)

ともあれ、当時よりは僕も強くなっているので多少は理解できるようになっているかと思いましたが、う~ん・・

そこは本当に「多少は」という感じでした。

(図1)

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白のキリが絶妙ですね。

棋譜並べした時には、何が良いのか全くわかりませんでしたが、作中でもヒカルが言っていますが、キッてきた白石を抱えて取りにいこうとすると、左上の少々窮屈そうに見えた白が厚い形になってきますね。

こういう形を決めたり崩したりするための手というのは、二桁級程度だった頃の僕には全く理解できませんでしたが、こういうちょっとしたことで大きく差が付く重要な考え方だということが少しは分かってきたつもりです。

しかし、興味深いのはLeelaZero先生の候補手が作中で酷評されてるキッてきた白石を抱える手になっていること。

AIに意図というものがあるのかどうかはともかくとして、あえて意図があるのだとしたら分かりやすく形を決めてしまった方が良いという考え方なのかもしれませんね。

それに、AIは先手を重要視している傾向があるらしいのも抱えを候補手とした理由かもしれません。

実戦の右側にオシていく手の場合、左上に手入れが必要になって先手を取られてしまいますからね。

(図2)

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中央付近の白が作中で高永夏が、ヒカルの打つ手をヌルいと言って打った好点となります。確かに左上から連なる弱い白石を強化し、黒からも攻めづらくなっている意味があるのでかなりの好転であることに間違いはありませんが・・

代りに左辺白はかなりペシャンコにされてしまいます。

作中の高永夏の反応を見ると、図2の左上の赤丸の位置のノゾキが利くと思っていたけど、左下の赤丸の位置の二段バネには手を抜けないというのが誤算だったということかと思われます。

二段バネの一段目を打たれる前ならノゾキは利くので、好点に打つタイミングが失敗だったというわけですね。

たった一つの手順の違いで随分と景色が変わるものです。

(図3)

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この手で白を切断するとヒカルが意気込んでいるシーンがありますが、連載当時この手がなぜ切断に繋がるのかは全く理解できませんでした。

そして、実は今もよくわかっていません。(笑)

後の展開を見ると確かに切断する結果になり、作中でも高永夏が読みを入れている盤面が描かれていますが、この手の段階でそこまで読めるなんて尋常じゃあないですよね。

もし仮に、この対局を僕が打っていて白の立場なら、この黒は切断を狙った手ではなくあわよくば右辺黒を強化しようという手だと判断していたと思います。

ちなみに、図3を見たらLeelaZero先生の候補手も見えていますが・・

思いっきり左辺黒に襲い掛かっています。

いや、確かに目に付く手ではありますが、お互いに怖い手だと思うので僕は黒だと打たれたくありませんし、白だとしても打ちたくないと思います。

(図4)

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作中でヒカルが悶絶してた二線のキリ。

当時棋譜並べしていた時、こういう二線にある石は抱えられると取られるということはさすがに分かっていたので、なぜこういう手が良いのかが全く理解できていませんでした。

今ならわかりますが、打たれると確かに悩ましい。

これも序盤の上辺のキリと同じで相手の形を崩そうという手ですね。

ちなみに、僕も棋風的にはこういう相手の形を崩す手が好きでよく打つのですが、よく考えずに勝手読みしてしまうことも多くなりがちな打ち方なので注意が必要だったりします。(笑)

総括

いかがでしたでしょうか?

ついに、終わってしまいました。

一週間で一冊分のレビュー記事を書いてきたので、約半年じっくり時間をかけてきたことになります。

今までの人生で読んできた全ての漫画作品の中でも五本指に入り、囲碁が最大の趣味になるキッカケになった『ヒカルの碁』という作品は、本当に好きな作品なので何度も読み返していますが、半年もかけて読み返したのは初めてかも知れません。

じっくりと読み返すことで今まで気付いていなかった発見もあったりして、ぶっちゃけ大変でありつつも楽しかったです。

どれだけの人が23巻分すべての記事を読んでくれたかは定かではありませんけど、もしそういう人がいたら、「本当にありがとうございました!」と声を大にして言いたいと思います。

ヒカルの碁 鑑賞会 漫画編! 懐かしの漫画、書評シリーズ【その2】22巻

 

ついに北斗杯が開幕する22巻です!(前巻の書評はこちら

高永夏への敵愾心を燃やすヒカルが、ちょっと空回りしつつも頑張る姿が魅力的ですね。

個人的に、この22巻から23巻にかけてのヒカルが、作中でも一番熱いと思います。

序盤は無邪気な子供っぽい印象が強かったヒカルも、碁打ちとして大きく成長しているというところが伺えます。

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本作の概要

洪秀英とも再会し、北斗杯ではオーダー的に対局できないので碁会所での再戦を約束します。

しかし、それを快く承諾しつつも洪秀英に高永夏への敵愾心をぶつけます。

それによって不幸な誤解を韓国勢も知るところとなるのですが・・

それを高永夏自身が面白がって火に油を注ぐような言動をしてしまいます。

そういうわけで、ヒカルの高永夏への敵愾心がMAXの状態で、いよいよ北斗杯が開幕しました。

 

本作の見所

前哨戦

高永夏が本因坊秀策を軽視した発言をしていることをヒカルから聞いた洪秀英は、高永夏がそんなことを言うわけが無いと、直接高永夏に確認して誤解を解こうとします。

洪秀英も、自分が認めた日本の棋士に尊敬する棋士が誤解されたままというのは面白くないですよね。

しかし、そんな洪秀英に高永夏は「ほっとけ」と一言。

「”秀策をバカにした高慢な棋士”、そう思われるのならそれはそれで面白い」

いや、悪役レスラーじゃないんだからそんな誤解さっさと解いとけよとツッコミたくなりますが、その辺は高永夏も子供っぽいですね。

しかも、ほっとくだけならまだしも前夜祭でさらにヒカルを煽りにかかります。

本因坊秀策をずいぶん評価しているようだが、ハッキリここで言ってやる。彼などもし今現れてもオレの敵じゃない」

古瀬村の言ったことは誤解でもなんでもないと、壇上から降りて、わざわざヒカルの前までやってきて宣言してしまった高永夏。

これから開幕する北斗杯にドカンと爆弾を投入していきましたね。

もし佐為がいたら?

それにしても、この高永夏の煽りのシーンのタイミングで、もしまだ佐為が現世に残っていたらどんな反応をしたのだろうと考えると興味深いですよね?

気になるのは僕だけでしょうか?

ヒカルは今はもういない佐為のために怒っているという部分も大なり小なりあるのだと思いますが、もし佐為がいて佐為が怒っていたら、ヒカルはそれを諫めるような反応をしていたのではないかと推測します。

そして、そもそも佐為はそこまで憤慨しなかったのではないかという気もします。

本因坊秀策の人柄をバカにされたのならまだしも、碁打ちとしての本因坊秀策は佐為自身なワケですから、「なにを生意気な!」くらいの反応はしたとしても、今回のヒカルほど怒らなかったのではないでしょうか?

人がバカにされた時、バカにされた本人よりも、親しかったり尊敬していたりする人の方が怒るってことは往々にしてあるものです。

そういうわけで、もしかしたら佐為は草葉の陰で、今回のヒカルを苦笑しながら見ているかもしれませんね?

経験不足とヒカルの不調

日本チームの中では明らかに経験不足をあらわにしているヒカルと社。

対局場に入っているTVカメラにビビったり、落ち着いて見える中国の対局者に経験不足を実感したり、そういえばヒカルはホテルに入る前から緊張していましたね。

社の方は越智を見かけたことにより、本当なら日本メンバーになっていた越智の前で格好悪い所は見せられないと思ったのでしょう。

対局前にある程度落ち着きは取り戻した様子です。

しかし、ヒカルの方は緊張を隠せないまま対局に臨むことになります。

緊張と高永夏への敵愾心が混じり合って精神的に不安定な状態で、最近ずっと好調な感じだったヒカルは久々に悪い碁を打ってしまうことになりました。

対戦相手は中国若手のナンバー2の王世振。

そんな精神状態で敵うわけもなく、ヒカルは苦戦を強いられることになります。

ヒカルのお母さんの観戦

前巻ラストでヒカルのおじいちゃんと一緒に観戦しに行こうとしていたヒカルのお母さん。

碁がわからないのに来なくて良いとヒカルは最初言っていましたが、親に碁打ちになることを反対されている社のことを思い出して自分は恵まれてると思ったのか、来るなら日程が分かってからにするようにと助言していましたね。

「来ちゃった。ヒカルに怒られるかしら」

そういうわけで、息子の晴れ舞台にやってきて、観戦するだけなのに息子のヒカルばりに緊張しているお母さんが可愛らしいですね。

しかし、当のヒカルは全不調。

碁はわからなくても、解説を聞けば形勢が絶望的なのはわかります。

客席からはヒカルに対するヤジも飛んでいて、母親としては流石にいづらかったようで・・

「子供の運動会を見るような気持ちで来た私がバカでした」

プロの勝負の世界の厳しさに場違い感を覚えたのか、ヒカルのお母さんは帰ってしまいます。

まあ、あくまでも職業棋士、仕事の出来不出来なんて親に知られたいようなものではないという配慮もあったのでしょうね。

ヒカルの猛追

しかし、今のヒカルは不調なままでは終わりません。

「この碁を投了するのも立て直すのも、ここにいるオレしかいない!」

起死回生の一手でヒカルは猛追を図ります。

現実のプロ棋士も、本当に強いトップ棋士はみんな必敗の碁でもひっくり返しかねない粘り強さ、油断ならなさを持っているものです。

近年の日本なら井山先生がまさにそうですよね。

そして、ヒカルにもそういう部分があるという所がこの対局で表現されています。

韓国戦のオーダー

凄い猛追で王世振を追い詰めたものの、一歩及ばなかったヒカル。

実は逆転の手はあった所をヒカルは見逃していて、観戦していた高永夏は気付いていました。

それだけで高永夏の方が上だと言うのはあまりにも短絡的かもしれませんが、一応この段階では高永夏の方が上だということを、この出来事は示していたのだと思います。

ともあれ、高永夏との対局がヒカルの成長のキッカケになる対局だと見て取った倉田さんは韓国戦のオーダーで、ヒカルを大将に据えることを決定します。

これは熱い展開!

予定調和なんてつまらないですもんね!

本作の棋譜 教えてLeelaZero先生!

今回は北斗杯の日本と中国の団体戦の副将戦。

ヒカルと王世振の対局で、元ネタは王立誠九段(黒)と劉昌赫九段(白)の、第3回春蘭杯3番勝負の2局目となります。

作中にも描かれている通り、劣勢になってからの粘りが見所の対局ですね!

(図1)

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作中で「左辺白にツケた手が問題で黒の形がくずれました」と解説されていたツケが恐らくこのツケだと思われます。

この手自体の良し悪しは僕にはわかりませんが、少なくともこの後の展開を見ると左辺黒が攻められて、効率の悪そうな形を強いられているような感じがしますね。

作中で林日煥も「足取りが重い」と言っていましたが、まさにそんな印象です。

(図2)

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そして、これが実際に形がくずれたと解説されていた時の盤面ですね。

左上寄りの空間の大きな地の付かない部分に黒石が集中していて、ここまでの流れだけを見ても黒が押され気味だと感じ取れますね。

プロの対局の特に序盤は、ハッキリどっち持ちと言えないくらいの微妙な差しかないことが多いですが、この対局に関して言えば流れからして白を持ちたいと思います。

しかもこの盤面、次は白番ですからね。

(図3)

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そして、作中でもピックアップされていた反撃の一手。

左上の白地の中にツケていきました。

作中で王世振は「隅から押さえて小さく生かしても問題ないさ」と思っています。実際、LeelaZero先生の評価も黒の勝率が9割以下にまで落ち込んでいますが、個人的には図2から受ける印象ほど大差には見えないのですが、そこのところはどうなのでしょうか?

僕が弱いだけと言ってしまえばそれまでですが、左上の白地が消えるとかなり細かくなりそうな気がするのですが・・

少なくとも、アマチュア低段者レベルだとすぐに逆転が起こり得る形勢ですね。

この左上のツケも割と多くの人が思いつきそうで、実際に打ちそうな手ではありますからね。悪あがき的な意味でですけど。(笑)

(図4) 

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そして、反撃のツケの狙いは小さく生きることではなく、上辺白を取ってしまうコウを仕掛けることでした。

これが上手くいけば、盤上の景色は随分と様変わりしますからね。

しかし、白のダメは4か所も空いているので、黒がこの白を取るのは相当大変だと思います。

こういうコウ、有利な方も含めて精神的に緊張が走りますよね。

結果的にこのコウは黒が制しますが、まさに見所のある粘りだったと思います。

しかし、上辺で上手くやった黒ですが、その時点で終盤も終盤。LeelaZero先生の勝率は絶望的なままです。

まあ、LeelaZero先生は終盤になるほどちょっとの差でも勝率が9割とかになるので実際はかなり僅差なのですが、粘りに粘ってあと一歩届かないというのも名局であることは間違いないと思いました。

総括

いかがでしたでしょうか?

いよいよ、次巻が最終巻となります。

さ、さっびしぃ~!

残すは北斗杯の韓国チームとの団体戦を残すのみとなりました。

クライマックス、高永夏との大将戦に注目ですね。

また、最終巻の短編には久々に佐為も登場しますよ!(次巻の書評はこちら

ヒカルの碁 鑑賞会 漫画編! 懐かしの漫画、書評シリーズ【その2】21巻

 

対局というより囲碁の世界が描かれている感じの21巻です!(前巻の書評はこちら

いよいよ北斗杯のメンバーが決まり、『ヒカルの碁』もクライマックスが近付いてきましたね。

北斗杯編は全体的に、囲碁界が世界的に大きく動こうとしている、新しい時代が始まろうとしているという予感を感じさせるような内容になっていますが、特に21巻以降は『ヒカルの碁』における囲碁の世界が上手く表現されている巻だと思います。

近年では、現実の囲碁の世界が『ヒカルの碁』という漫画を超えて大きく変化しているような世の中ですが、それでも今読んでも色褪せない面白さを感じさせてくれる『ヒカルの碁』という漫画はマジで名作ですね!

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本作の概要

ヒカルvs社の空中戦的な対局は決着し、ヒカルが処理をもぎ取りました。

ルールに従えば、アキラ、ヒカル、そして越智が北斗杯のメンバーになる所ですが、越智自身の申し出により、越智と社が対局して勝った方が北斗杯のメンバーになることになりました。

越智のプライドは格好良かったですが、結果としては社が勝利し、北斗杯のメンバーが確定しました。

そして、社の提案で北斗杯に向けてメンバー3人が集まって合宿を行うことになりました。

本作の見所

越智のプライド

当初よりプライドが高く、プロ試験編でも序盤は他の受験者を見下すような言動も多かった越智ですが、年齢も年齢なので実力はあるけどちょっと小生意気な子供というような印象を持っていました。

しかし、どうやら越智のプライドはそんなガキっぽいものでは無かったようです。

「このままボクが選手になっても皆、不満が残るでしょ。どっちが強いか。どっちが弱いか。はっきりさせてボクは上へ行く!」

冷静に自分の実力と相手の実力を客観的に見て、周囲が納得していないのを感じ取って文字通り白黒はっきりさせることを願い出た越智。

和谷のように、ルールを盾に勝負の世界なんだから運も実力の内と割り切ってしまうような考え方も別に責められるようなものではありません。

しかし、和谷と越智の勝負師としての実力差は、対局の結果以上にはっきりしてしまったかもしれませんね。

それを感じ取った和谷は、今までに無く悔しがっていますね。

囲碁の世界の子供

これは囲碁ファンであれば特に不思議に思うような話ではありませんが、普段囲碁に触れない人にとっては、プロ棋士であっても10代の若手なんかは年配のプロ棋士よりはずっと格下に見えるのかもしれませんね。

しかし、実際には全くそんなことはありません。

囲碁界の子供は子供ではない」という言葉は、別に漫画的な誇張でもなんでもなく、純然とした事実なのです。

歴代の世界のトップも、トップになる年齢はだいたい15~30歳の間くらいと意外に若いのです。

2019年1月5日には、仲邑菫さんという最年少のプロ棋士の誕生がニュースになりましたが、まさに「囲碁界の子供は子供ではない」のわかりやすい例の1人ですね。

高永夏の取材

ヒカルの碁』という作品のラスボスである高永夏。

記者の古瀬村がアポ取りにしくじった結果、怪しい通訳を間に挟み高永夏にインタビューした結果・・

高永夏の発言がかなり誤解を招く内容に変換されてしまいました。

本因坊秀策が「弱い」「学ぶことが無い」「日本が弱い」。

実は、高永夏は別に煽るようなことは言っていないのですが、断片的に通訳された結果だけを見ると日本囲碁界への挑発にしか聞こえませんね。(笑)

それをヒカルも知ることとなり、棋士としての本因坊秀策、つまりは佐為を馬鹿にされたと思ったヒカルの敵愾心を刺激することになります。

北斗杯メンバーの合宿

三人とも職業として囲碁を打っているので、実際は見た目ほど楽しい感じではないのかもしれませんが、こうやって合宿みたいな形でヒカルが囲碁の勉強をしているシーンって他には無いので、そういう意味ではとても貴重なシーンだと思います。

父親がプロ棋士(引退済)で、なるべくしてプロ棋士になったアキラ。

いつの間にかプロ棋士になっていたにも関わらず母親からは理解しようとしてもらっているヒカル。

プロ棋士になることを親に反対されていた社。

それぞれ違った環境に育ったプロ棋士が一緒に集まって勉強する。

それが何だって感じなのですが、個人的にはこういうシチュエーションが何かいいなって思ってしまうのですよ。

ちなみに、ここでは作中で唯一アキラが同年代の棋士に負けるところを見られます。

1巻でヒカルに負けてますが、これは佐為なのでノーカンですね。

何度も繰り返し10秒の早碁を打っている中で、社に負けたところが描写されているのですが、負けた相手がヒカルじゃないところが意味深ですね。

恐らく、このレベルの棋士同士だと流石にアキラも全戦全勝とはいかないはずで、ヒカルだって何度もアキラに勝ったことがあるはずだと推測します。

しかし、ここで描かれたのが社に負けるシーンだったことで、連載当時僕は「ああ、作者は恐らくヒカルをアキラに勝たせるとしたらラストのみにする感じなのかなぁ」と思った記憶があります。

まあ、その考えは間違っていたんですけどね。(笑)

本作の棋譜 教えてLeelaZero先生!

今巻は対局が少なかったので目ぼしい対局があまり無かったのですが、北斗杯メンバーの合宿でのヒカルvsアキラの対局の棋譜を紹介したいと思います。

元ネタは藤沢朋斎九段(黒)と島村俊廣九段(白)の、50年以上前の棋譜となります。

そういえば、ライバル同士であるはずのヒカルとアキラですが、本当の意味で一局の終局まで描かれたのってこの対局が唯一ですよね?

そういう意味では、地味なシーンだったわりに実は貴重な対局シーンだったと言えます。

(図1)

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序盤の三々を見るや否やAIの影響だとか思ってしまう世の中になりましたが、三々入りはともかく隅に石が無い状態での三々はAIはあまり打ちません。

むしろ、星に打つと三々に入られるから最初に三々を打っておくという発想だと思うのですが、最近では人間のプロ棋士が良く打っている印象があります。

そういうわけで、何となくパッと見た感じ最近の棋譜っぽく感じるのですが、それが実は50年以上前の棋譜というのが興味深いですね。

ちなみに、個人的には序盤の三々入りは肌に合っているような気がしてよく打っているのですが、本局のようないきなり三々に打つ手は、打つ方も打たれる方も少々苦手です。

どうしても19路盤の広さに対して端っこの方に寄りすぎているような気がしてしまうのが打ちづらい理由で、だからといってどう絡んでいけば良いのかが星や小目に比べて難しく感じるのが打たれるのも苦手な理由です。

しかし、13路盤であればそこまで端に寄りすぎているほどの印象はないので、時々三々も打っています。

ど素人の適当な感覚ですが、同じような感覚を持っている人は多いのではないでしょうか?

あと、この後の実戦では右上のシマリを黒が打ちますが、LeelaZero先生の候補手は左下のカカリです。この打ち方は僕の感覚と一致していて、ちょっと嬉しくなりました。(笑)

(図2)

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この局面、どちらが優勢だと思いますか?

僕は断然黒持ちなのですが、LeelaZero先生によると白優勢だそうです。

確かに白も左下が両翼に広げられそうで良い感じですが、右辺黒の模様も相当立派だと思うのですが・・

ちなみに、右下黒の三々からケイマした手は、LeelaZero先生的には大ゲイマまでいった方が良いとのことです。

黒模様を少しでも大きくするとともに、左下白の下辺へのヒラキを制限しようという意図だと思いますが、もちろんその分隙も大きくなります。

負けても悔しいだけでそこまで痛くもないアマチュア的には、LeelaZero先生の候補手の方が壮大で魅力的に感じますね。

(図3)

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左下白の小目の下にツケ1本。そしてカタツキから、白模様の中に黒地が築かれつつあります。

やっぱり、図2の時点ではこの左下の白模様を大きく評価しての白優勢だったのでしょう。その証拠に大きく黒に荒らされた後に勝率が一度五分まで変化しています。

左上の黒は弱く、右上黒もまだ付け入る隙はあるので油断はできませんが、黒に打ちやすい形勢なのでは無いかと思います。

LeelaZero先生の勝率は五分なので、白も悪くはないはずですが、個人的には中央から右下にかけての白石の形が地味に不安定な気がするので、やっぱり黒を持ちたいと思います。

(図4)

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作中でヒカルが「もっと前のオシが悪いんだ!」と叫んでいた手は、恐らくこれなのではないでしょうか?

実際にこの手で、LeelaZero先生の勝率がかなり下がっています。

右下とのつながりを重視して、赤丸の位置にコスミを打つのが良かったようですね。

確かにこの後の展開を見ると、右下と下辺黒がサカレ形になってしまっています。

(図5)

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作中でヒカルが「じゃあその前のツケコシがマズイんだ!」、恐らくこれなのではないでしょうか?

この手でもLeelaZero先生の勝率が落ちているのですが、だとするとヒカルの主張する悪い手はLeelaZero先生とも一致しているのですね。

その辺り、さすがと言うべきでしょうか?

ちなみに、確かにこのツケコシにはやりすぎ感がありますね。

右下白も不安定ですが、このツケコシで石の形が複雑になったことで、白も捌きやすくなったのではないかと思われます。

総括

いかがでしたでしょうか?

いよいよ次巻から北斗杯が始まります。

ヒカルの碁』もあとたった2冊ですが、何とも胸の熱い展開が待ち構えています!(次巻の書評はこちら

ヒカルの碁 鑑賞会 漫画編! 懐かしの漫画、書評シリーズ【その2】20巻

 

ヒカルの碁史上最も印象深い棋譜が登場する20巻です!(前巻の書評はこちら

北斗杯編前半のハイライトといえば間違いなくヒカルVS社の対局だと思います。

全くの新キャラである社清春が、初手天元や五の五といった趣向的な打ち方をするキャラクター性で、一気に人気者になりましたね。

囲碁の自由度の高さ、魅力的な部分を、囲碁を知らない人にも「何だかわからないけどすげ~」と伝えることに最も成功している巻なのではないでしょうか?

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本作の概要

門脇さんには佐為ではないヒカルの力を見せつけ、北斗杯に向けての準備が着々と進んでいきます。

趣向的な打ち方が特徴の関西棋院の期待の若手・社清春も初登場し、いよいよ北斗杯編も盛り上がってまいりました!

本作の見所

門脇さんとの決着

初登場時はお調子者の強キャラ感のあった門脇さんですが、遥かに年下のヒカル(佐為)の実力を知って憧れを抱けるほどの客観性を持っています。

しかし、ヒカルとの対局では十分にヒカルの実力を計ることができたものの若干不満そうな顔をしています。

「門脇さんさっき、オレと打てて良かったって言ったけど本当はどう思ったの?」

その不満顔の理由を知らないわけがないヒカルは、あえて門脇さんに問いかけます。

誤魔化すのを許さない雰囲気のヒカルに、門脇さんはついつい本音で以前の方が強かったとこぼしてしまいますが・・

「オレもそう思う」

ヒカルはむしろ嬉しそうです。

恐らく、確かに佐為がいたということを実感していることによる感情なのだと思いますが、佐為を知らない人にとってはヒカルの言動は謎ですよね。

門脇さんも、ヒカルの評価を図りかねてしまったようです。(笑)

以前、佐為が門脇さんと対局した後の「千年」というセリフといい、門脇さんとの対局と名言がワンセットなのが面白いですね。

初手天元

清春の初登場ですね!

初手天元や五の五といった面白い打ち方を見せてくれるキャラクターです。

最初は本田さんの師匠の研究会での練習対局で初手天元を見せてくれました。

初手天元は、特殊な打ち方ではありますが、意外と多くの人が打ったことがあるのではないでしょうか?

初めて囲碁を打つ時、どこに打ったら良いのか分からない初心者にとって盤面のど真ん中である天元は、いかにも打ちやすい場所ですからね。

連載当時初心者だった僕は、「へぇ~そんなに特殊なんだ。だけど、ぶっちゃけ何が難しいのかよく分からないや~」とか思っていましたが、実際問題初手天元はかなり難しい打ち方だと思います。

自分が打つ場合はもちろん、相手に打たれた場合も例外ではありません。

作中では初手天元について、天元の石が働けば勝ちで、役立たずに終われば負けだと、考え方はシンプルなのだと語られています。

実は、僕は今でも初手天元に打ったり打たれたりする時には『ヒカルの碁』のこのセリフを思い出して、この考え方に基づいて打っているのですが、考え方のシンプルさに反して、それを目指して打つのは非常に難しいことであると思います。

どちらかと言えば盤面の端の方から打ち始める囲碁において、本来中央は徐々に目指していく場所であるはず。

そこに最初から石を置いて、遥か遠い隅の打ち方から中央の石を意識するのは、例えば途中計算式を書かずに数式を解くような難しさがあるような気がするからです。

そんな初手天元を平気で打ってくるような社清春、連載当時もどんな活躍をするのか楽しみにしていた記憶があります。

師弟対決

ヒカルvs森下。

アキラvs緒方。

ライバル同士であるヒカルとアキラの師弟対決(片方は兄弟子)を並べて描かれている演出が地味に良いですね。

それぞれが自信を持って臨み、しかし勝負の場での師匠(兄弟子)に阻まれてしまうという展開が面白い!

やっぱり勝負師にとって、普段の練習対局と公式対局では全然違うということなのでしょうね。

しかも、師匠側が明らかに弟子側の実力を認めた上で万全に臨んでいるというのが熱い!

意外と『ヒカルの碁』では、こういう上の世代との対局エピソードが少ないので、そういう意味では貴重なシーンだったと思います。

卒業式

厳しい勝負の世界の話とは打って変わって、のほほん平和な葉瀬中卒業式のエピソード。

高校に行ってからも囲碁を続けると意気込むあかりと、教えに行ってやるとイケメンなヒカルのツーショットがなかなか良いですね。

残念ながら、ヒカルと三谷が仲直りすることはありませんでしたが、これは仲違いするに至った状況が状況だったので、致し方ないのかもしれませんね。

ヒカルvs社清春

そして北斗杯編前半のハイライト。

ヒカルvs社清春ですね。

本田さんから社清春が初手天元を打ってくる奴だと聞いていたヒカルは、初手天元を期待して待っていますが・・

打ってきたのは、まさかの初手五の五でした。

そしてヒカルが意趣返しも兼ねた二手目に白番の天元を打ちます。

乱戦狙いだから盤面全体にシチョウ有利な天元はありだと合理的な理由も語られていますが、どちらかといえば挑発の意味合いの方が強そうな手ですよね。

それに対して、更に五の五で応じる社清春

これは囲碁を知っている人にとっては、普通にビックリする展開ですし、知らない人にもその驚きが分かるように描写されているのが凄いですね。

定石も布石も無い、最初から最後まで読み合いの捩り合いの超乱戦。

9路盤でならよくある盤全体の乱戦が19路盤で行われているような印象で、メチャクチャ面白いですね。

この棋譜を使おうとする発想も凄いですが、こんな棋譜が実在していることも凄いと思います。

本作の棋譜 教えてLeelaZero先生!

今回はもちろん『ヒカルの碁』史上最も記憶に残る棋譜、北斗杯予選のヒカルと社の棋譜を検討していきたいと思います。

元ネタは若き日の平成四天王のお二人。

高尾紳路先生(黒)と山下敬吾先生(白)の20年ほど前の対局となります。

(図1)

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最初の三手がもはやハイライト。

五の五に天元、そしてまた五の五。連載当時の僕は初心者に毛が生えた程度の棋力だったので何だかよく分からないけど凄いんだということだけ認識していました。

今ならわかりますが、この三手はいずれも絶対に勝つつもりの対局では打てない類の手だと思います。

級位者クラスでの対局なら、奇襲戦法として上手くハマれば優位に打ち進めることができるような気もしますが、ある程度以上強い人同士なら中々通用しない気がします。

少なくとも僕には打ちこなせません。

敢えて言うなら、この三手目の時点で黒持ちなのですが、実はLeelaZero先生の評価ではかなり白に傾いています。

1手目で黒の評価が下がり、2手目で白の評価が下がり、3手目で黒の評価がまた下がってるので、LeelaZero先生はいずれも悪手と見ているようですが、そういは言っても人間同士の対局では最初の数手くらいはどう打っても一局という感じです。

例え本当に悪手だったのだとしても、囲碁好きならこういう自由な手を面白いと感じてしまいますよね。

僕も、絶対勝つつもりの対局では打てないと前述しましたが、時たまこういった普通ではない手を打って見たくなることがあります。

ちなみに、この対局の元ネタの高尾先生と山下先生の白黒をずっと逆だと思い込んでいました。山下先生の方が、こういう趣向的な手を打つイメージがあったからなのですが、実は高尾先生の方が黒番で五の五を仕掛けたようですね。

ヒカルの碁鑑賞会では、電話で高尾紳路先生が本局について話していましたが、三手目の五の五の後に山下敬吾先生が普通の手を打ってきたことを不満に感じているようです。(笑)

新鋭トーナメント戦というタイトルの決勝という大舞台で遊び心のある碁を打てるのが凄いですね。

(図2)

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「切り違い一方をノビよ」の格言がこれ以上なくわかりやすく表れた形ですが、乱戦が始まる気配がプンプンする形ですね。

大体の対局は、序盤十手くらいで良い勝負でも、何となくどっち持ちか言えますけど、既に意味がわかりません。

ですが左下の格好も白が良い形だし、どちらかといえば白持ちの形勢です。

LeelaZero先生も同じで、実はこの対局で黒の形勢が良くなるタイミングはありません。

やはり、五の五を二か所も打っているのが負担になっているのでしょうか?

しかし、例えば右上の五の五は中央で切り違えている白に対してのプレッシャーになっていますし、乱戦になればどう転ぶか未知数といった感じだと思います。

(図3)

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想像通り、中央で切り違えたところからお互いに弱い石を抱える展開になりました。

個人的には、右上の五の五にあった黒石が中央に近いこともあって、白石の方が弱い気がするので若干白持ちです。

ちなみに、個人的にはこの図3くらいのタイミングが、ただでさえ特殊な棋譜が一層特殊に見えるタイミングだと思います。

手順も、誰が打っているのかも知らない目で、この盤面だけを俯瞰して見たら、少なくともプロが打っていると思う人は少数派なのではないでしょうか?

この序盤に中央付近に石が集中している感じが、普通の棋譜ではなかなか見られません。

まさに空中戦といった感じですね。

(図4)

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作中でも「相手の薄みを突いていけば、ただ受けたりせず切り返して・・」と語られていますが、まさに右上の辺りで起きた戦いのことかと思われます。

元々は白が弱い部分で、白が黒の厚みになりかねないのに隅に侵入し、そのままあちこち切り違えながら戦いが始まります。

黒も弱い石を抱えることになったので、先行きが全く見えませんね。

左下も、白の石数が多いものの黒からも色々手がありそうな微妙な形。

LeelaZero先生は相変わらず白の優勢を示していますが、人間でこの盤面を正確に形成判断できる人ってどれくらいいるのでしょうか?

ちなみに、この段階では僕はどちらかといえば白持ちです。

(図5)

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上辺の白の模様もどきの中にある黒石が逃げ出していますが、盤の端の方まで来ても空中戦感が無くなりませんね。

広い空間なので死ぬことは無さそうですが、一歩間違えばもがかされて一気に損してしまいそうです。

打ち方次第では、中央黒の最初に切り違えてた石にも影響しそうですからね。

いやはや、プロの棋譜でもある程度は次の手が予想できるものですが、この対局に関しては終始全く予想できませんね。

(図6)

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中央から右上にかけては互いに切り違う戦いに終始しましたが、怪しい生ノゾキの一手も打たれています。

普通に赤丸の左上の位置に切り違えるのではダメなのでしょうか?

切り違えていたら中央と左下の切り離された白石が両方弱くなるので、黒にとっては都合が良さそうな気がしますし、それにLeelaZero先生の候補手は切り違いでしたが・・

複雑すぎで僕にはわかりません。

いや、分からない分からないとばかり言っている割に長くなりましたが、こういう対局は見応えがありますよね。

最近プロの対局でこういう趣向的な打ち方を見かけるのが減ってきたような気がするので、たまにはこういう対局を見てみたいと思います。

総括

いかがでしたでしょうか?

面白すぎる対局に棋譜検討に熱が入ってしまいましたが、本編でこの対局の終局が見られるのは次巻となります。

北斗杯のメンバーの決定、そして日本チームが一致団結しての合宿。

ヒカルにとっても久々の団体戦に向けての準備がメインとなり、祭りの前的な楽しさのある次巻にも注目ですね!(次巻の書評はこちら

ヒカルの碁 鑑賞会 漫画編! 懐かしの漫画、書評シリーズ【その2】19巻

 

いよいよ新シリーズが始まる19巻です!(前巻の書評はこちら

佐為がいなくなって吹っ切れたヒカルの、一皮も二皮も剥けて成長した姿に注目ですね。

また、佐為がいた頃にも洪秀英と対局したりと囲碁の国際的な部分が描写されていましたが、新シリーズでは囲碁の国際的な部分、そして日本の立ち位置がどのようなものなのかが強調して描かれています。

19巻はまだほんの序章と言った感じで、今後の伏線が張られるのみに留まっていますが、今まではライバルキャラだったアキラが仲間的な立ち位置にもなっていたりと、見所の多い内容になっています。

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本作の概要

ヒカルの碁』の新シリーズは、シビアなプロの世界というところが前面に押し出されています。

最初は無邪気な子供という感じだったヒカルも、大人っぽい・・というより勝負師の顔付きをしていることが多くなってきました。

プロの世界で、かなりのスピードで成長していくヒカルですが、その裏では若手棋士による国際戦の計画が進行しています。

本作の見所

ヒカルとアキラの関係

17巻までは、お互いに追いかけて追いかけられてという関係だったヒカルとアキラ。

一度はヒカルに幻滅したアキラが、最後にはヒカルのことを生涯のライバルだと認めたシーンは痺れましたね。

そして、新シリーズはヒカルとアキラが塔矢行洋の碁会所で一緒に勉強しているシーンから始まります。

こうライバルでもあり、仲間でもあるというような関係性が、今までのことを思い返すと感慨深くありますね。

超絶レベルの高い囲碁の話をしているかと思えば、徐々に子供っぽい喧嘩になっていくのが、プロの囲碁棋士のライバル同士のようでもあり、普通の中学生の友人同士のようでもあり、何だか良い関係だなぁと思います。

「フン、えらそーにしているのも今のうちだぜ。いつか公式戦でおまえに勝ってやる」

saiによるネット碁無双事件の時に、「今から打とうか?」とアキラに言われた時のヒカルの何も言い返せない寂しそうなセリフが懐かしいですね。

今のヒカルは、堂々とアキラに対してこういうことが言えるまでに成長しています。

「公式戦で」と言っているということは、恐らく練習対局くらいでは何度もアキラに勝ったことがあってもおかしくなさそうですよね。

とはいえ、その関係性で一番上位であるのはライバルとしての関係性。

その証拠に、アキラが北斗杯の予選を免除されていることを知ったヒカルは、最初は文句を言いつつも・・

「リーグ入りしているヤツと、ただの初段の差か・・。だけど、力の差じゃねェ」

そう言って納得を示します。

そして、北斗杯の予選を突破するまでは塔矢行洋の碁会所には来ないと言います。

恐らく、素直にアキラと自分は並んでいないと実績の差を素直に認め、北斗杯の予選を突破して日本チームの一員になってアキラに並んでやるぞという意気込みなのだと思います。

ただの初段から、日本チームの一員に。

そうして、また並ぶまでは来ないという関係はライバル以外の何ものでもないですよね?

ヒカルとアキラの躍進

ヒカルの目指すべきライバルとしてずっと強キャラとして描かれてきたアキラですが、ヒカルと同じくらいその成長がわかりやすく描かれてきました。

19巻では、ついにタイトルホルダーである一柳棋聖に勝利する姿が描かれていました。

また、成長曲線だけでいえばヒカルの方が上回っているようです。

佐為が失踪したと思っていた時に手合をサボっていたせいで、その実力に反して昇段まではまだまだ遠いヒカルですが、ギャップのある実力に対局相手の棋士には「最強の初段だ」と評されたくらいです。

これはわかりやすい部分ですが、全体的に堂々としてきたというか、余裕があるような感じにもなってきていて、棋力のみならず精神的にも成長してきているという印象を受けますね。

御器曽七段

ヒカルの碁』には珍しい、恐らくは唯一の明確な悪人である御器曽七段。

だから印象に残りやすいのか、地味に人気のあるキャラクターな気がします。

「なァ華麗な打ち回しだろう。ギャラリーがいれば歓声があがるところだぜ」

御器曽七段のこのセリフは有名ですね。

ヒカルの成長を実感させる当て馬的な役割のキャラクターでしたが、このセリフから滲み出る露骨な当て馬感が面白かったです。

国際戦の予感

ヒカルの碁』の新シリーズは、若手による新しい国際戦を巡る物語が中心になります。

国際戦の取材帰りの記者たち、スポンサーの思惑といったものが描かれていて、これらは今までの『ヒカルの碁』には見られなかった描写です。

何だか新しい何か(というか国際戦)を感じさせられますね。

19巻では、かなり計算高くドライな感じの主催企業の実行委員の担当者の態度が後々変わっていくところも面白いと思います。

新しい囲碁

閑話休題的な話題で、ヒカルの知る人のいなくなった新しい囲碁部の様子が描かれています。

18巻の短編の続きですね。

加賀に騙されて入部した二人がちゃんと囲碁部をやっていて大会を目指している所が微笑ましいですが、小池君と1年生2人で団体戦のメンバーが揃っている状況だったところにまさかの新入部員が!

将棋部に入りたかったのに加賀の怒りをかって囲碁部に入ることになった岡村、経験者で強者の風格のある上島が、実は弱くて良かったですね。

勉強熱心なヒカルの保護者

勉強熱心なヒカルというか、ヒカルのお母さんが良いお母さんですよね。

トイレの電球が切れて夜中に買い物に行っている所をあかりと遭遇し、「ヒカルに行ってもらえばいいのに」と言うあかりに対してこう返します。

「あの子の部屋から碁石の音が聞こえるの。今日だけじゃないいつものことだけどね。本当にいつも遅くまで。そんなあの子には頼めなくって」

最初は囲碁のプロ試験を受けることに戸惑いを見せ、プロになったらなったで色々と調べ、手合をサボりだしたら今後のことを心配し、意外と一番ヒカルに振り回されている感のあるヒカルのお母さん。

恐らく、状況的には素直に応援しきれなくてもおかしくないヒカルのお母さんですが、こうして息子のことを見守るような形でちゃんと応援してくれるお母さんって良いですよね。

門脇さんとの対局

伊角さんの新初段シリーズ。ヒカルとしても大事な仲間の新初段シリーズを観戦したいはずですが、それ以上にヒカルとしては門脇さんに以前の自分(佐為)と比べてもらうことの方が大事なようですね。

「大変な一局だな。1年半前の自分と比べられるから」

ヒカルの方から持ち掛けた野良試合的な対局ですが、ある意味大一番であると感じているようですね。

数少ない佐為の指示で打つヒカルと対面で対局したことのある門脇さんは、ヒカルが認めて欲しいと感じている棋士の一人であることは間違いなさそうですね。

本作の棋譜 教えてLeelaZero先生!

今回紹介する対局が終局するのは20巻ですが、ヒカルと門脇さんの対局ですね。

作中での描写は地味ですが、意外と作中でも重要度の高い対局なのではないかと思っています。

佐為のいないヒカルと、佐為と打ったことのある門脇さんとの対局。

アキラに対してもそうであったように、ヒカルからしたら佐為と比べられてしまう相手。

個人的には、新シリーズが始まってその転換点としての象徴になっている対局なのではないかと思っています。

元ネタは彦坂直人九段(黒)と今村俊也九段(白)の20年ほど前の対局ですね。

意外とゆっくりした碁に時代を感じさせられます。

(図1)

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右下の黒の形が素敵ですね。

最後に打った赤丸の位置は模様を囲うような手で、LeelaZero先生も良いとは思っていないのか候補手にもありませんが、ケシを打つにも白の勢力圏(上辺)と分断されやすそうなイメージの位置なので、意外と白も打つ手に困る良い手なのだと思われます。

結果、この後赤丸の位置の左下にカタツキのような手を白は打ちましたが、上辺方向を目指していくもののもがき苦しむ展開になります。

さすがに取られるような石ではありませんが、もがいている隙に黒がポイントを稼ぎ、黒の優勢の展開となりました。

(図2)

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作中で門脇さんが「オレが打った好形のハネに食いつかれた!」と反応している盤面ですね。

門脇さん、「ここからか!」と身構えてもいますが、この時点で実はLeelaZero先生的にはかなり黒の優勢になっていることもあってか、実戦よりはおとなしめの手が候補手になっています。

後の展開から推測するに、中央白にプレッシャーをかけつつ、左辺黒を少しでも大きく囲おうという手なのだと思われます。

ちなみに、問題のツケを打った後の展開は意外と限られているような気がします。実際、途中で手抜くまではLeelaZero先生の候補手と完全に一致していました。

(図3)

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LeelaZero先生の形成判断によると、作中でヒカルが言っていたほど黒は苦しくなく、終始優勢を保っている印象の棋譜でした。

ちなみに、僕は地合いを数えるような形成判断はかなりどちらかに偏っていなければできないので、どちらかと言えば対局の流れで形成判断をするタイプです。

「こっちがずっと攻めてるんだから、こっちが優勢なはず」といった具合ですね。

そういう形成判断に基づくと、黒が先に右下に大きな模様を作り、何とかそれを消そうとカタツキしてきた白を攻め立て、そして図3の盤面では右辺の小さい白がギリギリ生きているものの苦しい生き方をさせられていて、終始黒のペースといった印象を受けました。

右辺の白なんて、かなりシビアな生き方をしていて、恐らく赤丸以外の場所に打っていたら死んでいたのではないでしょうか?

僕の場合、こういうツライ生き方をさせられると、それだけで自分が劣勢だと感じてしまいます。

まあ、これは必ずしも当てはまるわけでは無く、気持ちよく攻めてて流れは自分にあると思っていて、最後まで自分の優位を疑っていなかったのに、結果を見たら僅差で負けているなんてこともあるのですが、一定の指標にはなると思います。

作中でも門脇さんが、自分のパンチが効いているのか効いていないのかを気にしていましたが、これも要は対局の流れに基づいた形成判断をしようとしているということなのかなぁと思いました。

総括

いかがでしたでしょうか?

次巻以降、『ヒカルの碁』は北斗杯に向けて徐々に国際色豊かな内容になっていきます。

囲碁の国際色豊かな部分は、将棋には無い囲碁の強みだと思うので、その辺が盛り上がっていく点には是非とも注目して欲しいですね。

日本では将棋に比べて社会的地位の低い囲碁ですが、こういう国際的な部分は将棋には無い強みなのですから。

連載当時、佐為がいない新シリーズって何だか寂しいなぁと初めは思っていましたが、それはそれとして新シリーズも全然面白いと思います。

というか、個人的には佐為がいないという一点を差し引いても北斗杯編の方が好きなんですけどね。(次巻の書評はこちら

ヒカルの碁 鑑賞会 漫画編! 懐かしの漫画、書評シリーズ【その2】18巻

 

シリーズ初の短編集の18巻です!(前巻の書評はこちら

塔矢アキラ、加賀鉄男、奈瀬明日美、三谷祐輝、倉田厚、藤原佐為。

この6名を主人公とした番外編的な位置付けの短編が6本。

魅力的なキャラクターが多い作品には短編、あるいは短編という形でなくとも一話読み切りの番外編的なエピソードが多い印象があるのですが、そういう魅力的なキャラクターが多いという特徴を持っているはずの『ヒカルの碁』にそういったエピソードはあまりありません。

それだけに非常に貴重な短編集。いつもとは違った雰囲気の『ヒカルの碁』に注目ですね!

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本作の概要

ヒカルと出会う直前の退屈している塔矢アキラ。

囲碁部OBである筒井先輩のフリをする加賀鉄男。

たまには遊びたい院生の奈瀬明日美。

ダケさんにカモられる直前の三谷祐輝。

中学時代の倉田厚。

花器にも詳しい藤原佐為。

・・などなど、6つのエピソードからなる短編集となります。

本作の見所

塔矢アキラ

アキラがヒカルと出会う直前のこと。

塔矢アキラが不在の子ども名人戦で優勝したことを不満に感じている磯部秀樹は、アキラのいる碁会所を知ってアキラの元を訪ねます。

「みんなにボクの力を認めてもらうには、おまえに勝たないと!」

少々小生意気な少年ですが、これくらいの気概がある子じゃないと強くなれないのかもしれませんね。

一方のアキラは同世代の実力者の登場を嬉しがっていますが・・

「たいしたことないな・・」

磯部秀樹の表情が徐々に曇っていくのに対し終始冷静なアキラでしたが、その表情は何とも寂しそうなものです。

見た目では磯部秀樹に比べて表情の変化が少ないのに、同じくらいアキラの表情が変化しているように見えるのは小畑健先生の表現力が凄いですね。

それにしても、この時のアキラの様子を見るに同世代のライバルを欲していたのであろうことは明らかです。

後にヒカルを追いかけることになった時に見せた熱意の根源が、この寂しそうな表情に現れていたのだと思いました。

加賀鉄男

加賀の短編ですが、全く登場しない筒井さんの短編でもあると思っています。

「ここの囲碁部を1人で作ったっていう伝説の筒井先輩ですね!」

三谷やあかりの囲碁部の後輩の小池のセリフですね。

かなりのモブキャラですが、このセリフは『ヒカルの碁』の作中でもかなり有名な部類に入るのではないでしょうか?

三谷やあかり達も三年生になり、これからは後輩で二年生の小池が囲碁部の中心になっていくという所で、部員集めに奔走する小池と入部を渋る一年生の元に加賀が現れます。

それを小池が筒井先輩だと勘違いしたというエピソードです。

入部を渋る一年生たちを圧倒する棋力で無理やり入部させてしまうのですが・・

「優しいっていうかすっごくカッコイイです!」

「碁もものすごく強いし!」

その後、筒井先輩(加賀)を絶賛する小池の言葉を聞いて、仲たがいしているはずのヒカルと三谷が一緒に首を傾げているシーンが地味に好きです。

奈瀬明日美

ヒカルの碁』には珍しいヒロイン枠のキャラクター。

ヒカルの院生仲間の奈瀬明日美の短編ですね。

ヒカル・和谷・越智と年下連中がプロ試験に合格したことを少々憂鬱に感じている奈瀬。

「遊びたいよ。16歳の女の子だよ」

そりゃあ遊びたいですよね。

気晴らしなのか院生研修をサボって遊びに出かける奈瀬。

しかし、男が興味を持ったからって初対面の相手と碁会所に突撃するとはね。(笑)

「この人相手なら楽勝ね。よーしカッコイイとこ見せちゃうぞ」

そして見事に引かれてしまいました。

いや、所詮ゲームとはいえ強面のオッサンをビビらせる女の子、普通の高校生男子からすると「なにもんだ!?」ってなりますよね。

それで「すげ~、カッコイイ!」って思うのは、そもそも囲碁好きのヤツだけだって。

そういえば『ヒカルの碁』の中で誰かが誰かと明確にデートしているシーンがあるのって、このエピソードだけだったと思いますが、これは本気で囲碁をやるなら恋愛なんてやってる場合じゃないよという警告なのでしょうか?(笑)

三谷祐輝

三谷の短編ですが、本編でヒカルが三谷を勧誘していた頃の三谷視点のエピソードとなります。

そういうわけで何となく展開が分かっているのでストーリーそのものに驚きは少ないですが、三谷が何を思って整地の誤魔化しを行っていたのかが分かるようになっています。

また、三谷のお姉さんにダケさんと、1エピソードにしか登場していない気で地味に人気のあるキャラクターが2人も登場するという点にも注目の短編ですね。

「時々、私がバイト代から少しあげてるでしょ」

社会的にはまだまだ子供であるはずの三谷のお姉さんですが、家のこと、弟のことをしっかり考えている良いお姉さんですよね~

僕は長男なのですが、上の兄弟。特に姉がいたら良かったなぁと時々思うのですが、三谷のお姉さんは個人的にはまさに理想の姉って感じがします。

倉田厚

倉田プロの中学生時代。囲碁を始める前に競馬にハマっていた倉田少年のエピソードですね。

正直、最初にこの短編を読んだ時には「何で倉田の短編?」って不思議に思いました。

ヒカルがプロになった後に多少活躍の場があったキャラクターではありますが、他の短編5本に登場したキャラクターに比べると、どうしても印象が落ちます。

プロ棋士の誰かの短編にするにしても、例えば緒方九段や塔矢行洋や桑原本因坊など、今までにもっと印象深いキャラクターがいたはずです。

ですが今になって思えば、19巻以降の北斗杯編では日本チームの団長としてヒカルたちの保護者的な立ち位置のキャラクターになって、活躍の場が広がっていくことの伏線だったのかもしれませんね。

ちなみに、短編の内容的には倉田が何だか競馬で凄い能力を発揮しているというものですが、僕には競馬のことは全くわからないので正直よくわかりませんでした。(笑)

藤原佐為

ヒカルの碁』の序盤頃の佐為のエピソードです。

もう本編には登場しない佐為が登場するとあって、ファン的にはとても嬉しい短編ですね。

しかも佐為が対局で無双する系の話なので、かなりスカッとする内容になっています。

ヒカルが割ってしまった加賀の湯飲みの代わりを探すために訪れた骨董屋の店主は、なかなか狡い商売人ですが、幼い女の子にまで酷い対応をする店主にキレた佐為が店主と碁で対局することになります。

「おまえっ、この子ダシにして打ちたいだけだろ!」

ヒカルのツッコミが何割かくらいは当たっていそうで面白いですね。(笑)

ちなみに、この対局は佐為の強さが囲碁を知らない人にとっても最もわかりやすく伝わるエピソードだったのではないかと思います。

最初は女の子が割ってしまった茶碗の弁償代を賭けての対局で店主を投了させ、その後女の子の家から盗まれた慶長の花器を賭けて、黒白入れ替えて店主が投了した盤面から逆転してみせた佐為。

相手が負けを認めた盤面からの逆転とは、完全に心を折りにいっていますね。

しかし、実際のところはどうなんでしょうね?

店主はアマ五段クラスだったようで、アマ五段といえば正直相当な実力者です。(最近の免状の価値がどれほどのものなのかという問題もありますが・・)

例えばトップ棋士が実際にアマ五段クラスを相手に佐為と同じことをやったとして、これは実現可能なのでしょうか?

かなりレベルを落として考えてみました。

アマ五段とトップ棋士のハンディキャップを五子くらいと仮定し、自分が五子置かせる棋力差の相手に対して同じことができるかを考えてみると・・

相手の投了時の盤面の状態、どこまで手数が進んでいるかにもよりますが、相当厳しいような気がしますね。

そして、作中の店主が投了した盤面はかなり手数が進んでいるようだったので、いくら最強の棋士でも普通は難しそうです。

これはさすが佐為としか言いようがないエピソードだったと思います。

本作の棋譜 教えてLeelaZero先生!

今回は番外編の短編集ということで、棋譜紹介はお休みです。

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総括

いかがでしたでしょうか?

番外編の短編集ということで、いつもとはちょっと違ったヒカルの碁が楽しめる巻ということで、僕は結構18巻が好きです。

こういうストーリーに絡まない短編は好き嫌いがわかれるところですが、僕が勝手に思っている理論で、短編が面白い作品は魅力的なキャラクターが多いという法則があります。

やはり短編では、サブキャラクターにスポットを当てたいつもとは違ったエピソードが好まれがちだと思うので、どうしたってキャラクターが魅力的じゃないと成立しないと思うからです。

そういう意味でヒカルの碁は脇役を含めてどんな登場人物もキャラが生きている感じがして個性的ですよね。

ヒカルの院生仲間なんて特に顕著で、そこまでストーリーに絡んでいるわけではないキャラクターも含めて、まるでそこにいるのが当然であるかのように違和感なく登場してきていたのが凄いです。

本編では伊角さんあたりがそんな感じで台頭してきて16巻では主役を張っていましたしね。

そんな魅力的なキャラクターが多いヒカルの碁にはもっと短編があっても良いような気もするのですが、残念ながらあまりありません。

そういう意味で18巻は貴重ですね!

ともあれ、短編集を挟んで次巻からはセカンドシーズンとも言うべき北斗杯編が始まります。

佐為が不在になってしまったからか、かなり賛否のある北斗杯編ですが、個人的にはある意味本当の『ヒカルの碁』の始まりとも言えるような気がしていて、実は19巻以降のストーリーの方が好きだったりします。(次巻の書評はこちら

囲碁の天才少女・小学四年生の仲邑菫さんと井山五冠との記念対局の内容は? LeelaZero先生に解析してもらった!

f:id:Aruiha:20190107220141j:plainwww.hochi.co.jp

2019年の囲碁の日(1月5日)、囲碁の天才少女・小学四年生の仲邑菫さんが最年少プロ棋士として入段されることが発表されました。

期待の実力者の登場に囲碁界に興奮が走る中、入段発表の翌日に早くも仲邑菫さんの実力を世間に知らしめる出来事がありました。

井山杯東大阪市新春囲碁フェスティバルにて、昨年度の優勝者である仲邑菫さんが記念対局という形で井山五冠と対局することになったからです。

本記事では、国内最高峰の棋士との対局で垣間見えた仲邑菫さんの実力について考察していきたいと思います。

 

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仲邑菫さんと井山五冠の対局の結果

史上最年少のプロ棋士として入段が発表されたばかりの仲邑菫さん。

入段の記者会見の様子からも囲碁界関係者から相当期待されていることは伺えていましたが、「果たしてどんな碁を打つのだろうか?」というのが囲碁ファン共通の興味だったのではないでしょうか?

そして、入段記者会見の翌日に早くも井山五冠との対局という最高の形で、その興味に対する回答を示してくれました。

定先(置石なし、コミなしで下手が必ず黒を持つ)ということでハンデ付きの対局でしたが、国際戦の棋譜だと言われても信じてしまいそうなハイレベルな対局を見せてくれました。

結果は時間切れでの「引き分け」と相成りましたが、十二分に囲碁ファンの期待に応える内容だったのではないでしょうか?

なお、対局の模様の全編が日本棋院囲碁チャンネルにて公開されています。

www.youtube.com

対局内容に関する評価

局後、井山五冠は次のように述べています。

  1. 途中まではハッキリ自分が押されていた。
  2. 今までに見たことが無い才能。
  3. 自分が9歳の頃とはくらべものにならないくらい強い。
  4. 昨年度に対局してからの成長速度が凄い。
  5. 男性棋士に混じっても天下を狙える。
  6. 近い将来やられる可能性が高いと思うので今日は頑張った。(笑)

非の打ちどころが全く無いくらいの絶賛ですね。

僕ごときがプロの棋譜のレベルの高低を語るのはおこがましいとは思うのですが、かつてNHKにて行われた少年時代の井山先生が張栩先生との対局と比較しても、非常にハイレベルな内容に思えます。

もちろん、当時よりも囲碁の打ち方そのものがずっと進化しているからそう感じるという部分もあるとは思うのですが、これまでこれほど大々的に井山先生と比較して評価されるような新人棋士がいなかったのも事実。

ぶっちゃけ井山先生と比較対象にされただけでも、相当に凄いことで、また期待されているということが伺えますね。

LeelaZero先生の解析

本記事を記載している僕の棋力はアマ低段者程度。

ハイレベルな棋譜を検討するには役不足ですが、そこはLeelaZero先生の力を借りながら頑張ってみました。

仲邑菫さん(黒)VS井山五冠(白)の定先です。

(図1)

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右上の星の黒に対する白のケイマのカカリに黒がケイマで受けた後の展開は、最近よく見かける展開の一つですね。

特に国際戦を観戦していると頻繁に見かける気がします。

図1の盤面までは完全にLeelaZero先生の候補手通りの展開で、仲邑菫さんが最近の流行の形もしっかり勉強されていることが伺えます。

この後、白の井山先生がLeelaZero先生の候補手とは違った手を打ちますが、ここまではほとんど五分の展開です。

(図2)

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右下の白は黒の勢力圏での捌きを目指した井山先生っぽい打ち方ですね。

手を緩めるつもりならもっとわかりやすい打ち方もあったはずですが、そうしなかったことで井山先生が本気であることが伝わってきます。

右辺、白のハネに対して仲邑菫さんが打った黒のサガリがちょっと意外な手だと思いました。

一路上にノビる手がLeelaZero先生の候補手で、僕も最初はそこに目がいきました。

ガリだとどうなるのか?

正直違いはあまり分かっていませんが、右辺白が目を確保しづらくなっているような効果があるのでしょうか?

ともあれ、僕程度では形成判断できない局面(どちらかと言えば黒持ち?)ですが、LeelaZero先生の評価によるとこの辺りで形勢は白の井山先生に傾いてきています。

LeelaZero先生の形成判断は互先でのものなので、定先ということを鑑みたら良い勝負なのかもしれませんね。

(図3)

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プロは地に辛いイメージがあるので、この辺りの打ち回しはプロっぽくないように感じました。こういう壮大なイメージの打ち方は大好きですけどね。

意図としては右辺白にプレッシャーをかけつつ下辺に黒の勢力圏を築こうという手だと思いますが、白の井山先生はすかさず白の勢力圏をケシにかかります。

右辺の白がもう少し弱ければ受けてもらえたかもしれませんが、後の展開を見ると右辺白は簡単に安定してしまっていますから見た目ほど弱い石では無かったのだと思われます。

しかし、この後は右下にできた黒の厚みをバックに、下辺をケシた白を攻める意図の打ち込み(というかカカリ?)を打ってきたのは強そうな打ち方だと思いました。

(図4)

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左下から下辺にかけて険しい感じになっていますが、この辺で実はLeelaZero先生の評価が五分以上の黒優勢に傾きかけていました。

ただし、LeelaZero先生によると左下の黒がかなり不安定だった所を安定させるために打ったトビサガリが緩手だった可能性があります。

切り違えた所をノビておいた方が良かったみたいですね。

しかし、それはそれで左下がかなりきわどい事になるのも確か。そう考えると、キリでLeelaZero先生の形成判断こそ優勢位なったものの、もしかするとやり過ぎの手だったのかもしれませんね。

とはいえ、井山先生を相手にここまでプレッシャーを与えるような打ち方をしているのは凄いと思います。

面白いのがこの下辺一体の攻防、黒の仲邑菫さんは左下で、白の井山先生は下辺の中央付近でいわゆる両ヅケを打っている点。

「下手の両ヅケ」という、いかにも弱い人が打ちそうな形だよという意味の格言があります。必ずしも悪い手というわけではありませんが、これを打つということはかなりの読みが入っているという証拠だと思います。

お互いにそういう手を打っていることからも高度な駆け引きがあったことが伺えますね。

(図5)

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結局、下辺の攻防は白の井山先生に軍配が上がりました。

黒の勢力圏内にあったはずの白石が、部分的にしっぽ切りしながら、するすると効率よく右辺の白石と繋がってしまいました。

捨石にした白石の連絡に一役買っていますね。

しかも先手で左上の大場に回り、ここまでくればコミなしであることを考慮しても流石に白の方が優勢だと思われます。

僕程度の低段者でも形成判断できるくらいの形成ですね。

以降は大きく形勢が動くことは無く、記念対局ということで時間切れの引き分け終了ということになりましたが、さすがに内容的には井山先生の勝ちだったと思います。

しかし、仲邑菫さんも井山先生を相手に善戦していて、ファンの期待には十二分に応えてくれたと思います。

年一で小学生名人の棋譜を見る機会もありますが、正直言ってレベルは段違いでしょう。いや、低段者ごときが何を言っているんだと思われるかもしれませんが、やっぱりトップクラスの棋士の打つ碁の棋譜は迫力が違いますからね。

今回の仲邑菫さんと井山先生の棋譜からは、その迫力を感じることができました。

総括

いかがでしたでしょうか?

結果は引き分け、内容的には流石に井山先生が勝っていたという感じですが、ぶっちゃけ現時点では井山先生の方が勝っていた所で当たり前すぎる結果です。

むしろ、あの井山五冠を相手に臆せずキワドイ戦いをこなしていたことを評価するべきなのだと思います。

十二分にファンの期待に応えてくれた仲邑菫さんのことを、期待を胸にこれからも応援していきたいと思います!

4月の入団が楽しみですね!